大和リビングから家賃の値上げ案内が来たけど断った話

大和リビングマネジメント 貸室賃貸借契約の賃料等の改定に関するお知らせ

我が家であるアパートは最高の居心地である。これは、引越し貧乏だった経験から強く主張できることの一つだ。先週、部屋の管理会社である大和リビングマネジメント株式会社(以下、大和リビング)から「貸室賃貸借契約の賃料等の改定に関するお知らせ」が届いた。ようするに家賃の値上げである。その内容について電話確認したところ、結局家賃の値上げはなくなった。今日はそんな話。

貸室賃貸借契約の賃料等の改定に関するお知らせ

送られてきた書面にはこう書かれていた。

 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

丁寧すぎて全然心に入ってこない(笑)。

 さて、ご入居いただいているお部屋の賃貸借契約につきまして、今回の更新時から、下記の条件により賃料等の改定をさせていただきたく、ご案内申し上げます。

今回の賃料改定は、周辺相場等との兼ね合いにより、賃料等の改定をお願いするものでございます。

つきましては、改定後の賃料等を記載した更新契約書類を同封しておりますので、ご記名・ご捺印の上、1部を弊社までぎお返送いただければと存じます。

文章に「賃料等の改定」とあるので、家賃が変わるのはわかった。でも、僕も嫁も「どの部分が」変わるのかがわからなかった。だから、契約書にサインをしてハンコまで押してしまった。そのあとに、家賃の項目を見ると、+500円だったので、おかしいなと思って電話して確認したのだった。

実は送られてきた書面には、「改定後の賃料等の金額」という表があり、よくみるとそこに更新されている箇所が記載されていた。

対象項目更新(改定)後備考
貸室(非課税)賃料(月額)同封の貸室賃貸借契約書記載の通り。 
貸室(非課税)共益費(月額)同封の貸室賃貸借契約書記載の通り。変更なし
貸室(非課税)更新料同封の貸室賃貸借契約書記載の通り。変更なし

僕も嫁もこの表には気がついていたが、つまりどういうことかわかっていなかった。説明されてわかったのだが、備考欄に「変更なし」と書かれていない対象が、「記載の通り」に修正されているということだ。

我が家の例だと「貸室(非課税)の賃料(月額)」が更新対象である。なんともわかりにくい。

値上げは妥当なのか

問題は値上げされた500円がなんなのかだ。説明には「周辺相場との兼ね合い」とある。これについては、育休中に勉強したファイナンシャルプランナー3級が役に立った。

https://daipresents.wordpress.com/2016/fp3/

ファイナンシャルプランナーの試験範囲には「不動産」という項目がある。あんまり馴染みがないので全然点を取れなかったが、土地の価格についてはいくつかのデータが存在するのを覚えていた。詳しくはこちらの過去問がわかりやすい。

土地の値段(地価)を知るには次のデータが使える。公示地価、基準地標準価格(基準地価)、相続税路線価、固定資産税評価額。最近だと「地価 鶴ヶ峰」と検索するだけど、公示地価のデータを教えてくれるサイトがあるのだ。例えば最寄り駅鶴ヶ峰の地価はこちらでわかる。

2016年のデータだと「平均18万8000円/m2(2016年[平成28年])前年比-0.99%下落」だ。つまり、周辺相場との兼ね合い的には、1%家賃が下がるはずだ。5万の家賃だと500円下がることになるのに、500円上がるのはどうもおかしい。

次に家賃相場を見てみる。同じく鶴ヶ峰の家賃相場もググればすぐにでてくる。at homeの家賃相場情報だと2LDKで8.15万円。比べてうちの家賃は高いほうにはいる。駅から徒歩15分以内だと6.74万円。新築時からお世話になっているが、べらぼーにうちの家賃のほうが高い。

あとは、Homesとかで同じぐらいの家の家賃もしらべてみた。うちより駅チカで数万安い物件もちらほら。隣の二俣川みたいに大型の開発があるわけでもない。

周辺相場との兼ね合いとはなにか。それを確認する必要があった。

大和リビング 横浜営業所の回答

担当の営業の方に電話で確認してみた。上のような情報をもとに考えると、契約にもあるように家賃を下げる方向に改定すべきだ。

第6条 (賃料・共益費・その他使用量の改定) 甲及び乙は、契約期間中であっても、本貸室の維持管理費、公租公課、損害保険料、経済情勢の変動、または、諸物価の高等等の事情により、賃料・共益費・その他使用料が不相応となったときは、これらを改定することができる。

先方の回答を要約すると以下のような説明だった。

  1. 契約時より消費税が上がったのが大きな原因
  2. 大和リビング内のコストも高くなってきている

1については、「周辺相場との兼ね合い」ではないのでダウト! 嘘はついてはいけないと思う。仮に物価が上昇していたりするのであれば、全家賃を強制的に上げるべきだろう。

2については、借りる側にとってしったこっちゃない理由だ。逆に、僕らがお金に困ってても家賃下げてくれないよね。

そして、一番ビックリしたのは、今回の案内は「お願い」でしかないらしい。確かに「賃料等の改定をお願いする」とあるが、有無を言わさずそのまま「返送」を促している。こういうのは前にもあった。

https://daipresents.wordpresss.com/2016/electric/

お願いは断れる。そして、担当者にも上の2点についてこちらの意見を伝えた上で「普通、そんな理由だと誰も値上げに応じませんよね?」と伝えると「・・・そうですよねぇ」とのこと。いいやつじゃないか。

というわけで、家賃は今まで通りになった。僕の場合、契約は自動的に更新されるそうなので、届いた書類を破棄するだけでOK。心配なら「同意しない場合、どうすればいいか」問合せてほしい。健闘を祈る。

ちょうど前日に「好き嫌いの話」を同僚としていた。一般的な感覚とは別に、自分ならではの好き嫌いは何か。これを聞くと、それぞれの個性があってとても面白いのだ。ある人は電車内のマナー違反をどうしても許せなかったり、ある人は人と比べられるのがとても嫌だったり。

僕の場合、今回のような「まぎらわしいやりかたで、人を騙して儲けようとする奴」が大嫌いだ。

「ユーザをお金を運んでくるカモ」と呼び捨てる某ソーシャルゲーム会社とか、携帯の契約時にオプションを付けまくる大手キャリアのやり口とか、半分ボケかかったばあちゃんに使わない大型テレビを売りつけたJA職員や、「裁判で負けますよ」と嫁を脅したNHK受信料を集める人たちや。

これらは悪意だ。そういうサービスに未来はない。

今回の件については、もう少しで気がつかずに返送するところだった(そもそも値上げなんてないと思っていたのだが)。もし、こういった「紛らわしいお願い」が来ていたとしたら、その内容をきちんと確認したほうがいい。

とくに「させていただきたく」と書かれていたのなら、殆どの場合、断ったほうがいい内容のはずだ。

追記: 電気配給サービスにもご用心。

https://daipresents.wordpress.com/2016/electric/

2019/06/01追記。更新にあわせてまた同じ書類が届いたが、「同意できない」ということで断れた。また2年後届くと思うので、これまでのデータをまとめておくといいかも。

  • 2016年
    • 地価:平均18万8000円/m2 変動率-0.99%
    • 家賃相場情報:2LDKで8.15万円
  • 2019年
    • 地価:平均19万5714円/m2 変動率+0.38%
    • 家賃相場情報:2LDKで8.01万円

2020/01/13追記。大和ハウジング物件のネット環境が遅くなったら、以下を参考にどうぞ。

https://daipresents.wordpress.com/2020/wi-fi6/

2023/02/07 電気代の切り替えを迫られたらこちらをどうぞ。

https://daipresents.com/2016/02/25/electric/

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