
昔、僕が良きマネージャだった(はず)時代に、「勉強会サイコー!」みたいな風が会社の中に吹きはじめた。新しい風は大切だが、しばらくすると、業務時間中に勉強会ばかり行きたがるメンバーが現れたので、こんな話をしたことがある。
勉強会に行く損失
まずは単純に「コスト意識を持ってる?」と問いかけた。みんながみんな、仕事中に勉強会に行ったら、会社はつぶれてしまう。
「無料の勉強会だから大丈夫」だって? いやいや、あなたが働かないという見えない機会損失があるんだ。一度、どれぐらいの損失があるか調べてみよう。例えば、社員一人が一日すごすだけで自然発生するコスト(給与やオフィスの賃貸料などいろいろ積み上げると結構な額になるんだ)を元に考えてみると…
- 一日2万円のコストが君に支払われているとする。
- 2万円を稼ぐためにいくら稼ぐ必要があるだろうか?
最近読んだ『財務3表一体分析法』という本では営業利益率を使って計算する例が書かれていた。
例えば、営業利益率10%の会社で2万円を稼ぐためには、単純計算で20万円稼ぐ必要がある。「無料の勉強会だからいいじゃん!」は金銭感覚が間違っているのだ。
はたして、その勉強会(有料セミナーだとさらにお金を払う必要がある)はその価値があるのだろうか? あるならそういう気概で行って来い! なければプライベートで楽しんでおいで。
学ぶことの本質
当時は、「新しい技術の勉強したくて」とか頭いい風なことを言いだされて困った部分もあった。たしかにそういうのは重要。だけど、個人的に@yandoが昔言ってた
自己投資は身銭を削るべし
が、本質的に正しいのではないかなと思う。たしか彼は身銭でドイツのカンファレンスに参加していた。自分も身銭でアメリカのカンファレンスに何回か行った。その行為に見合った見返りもあった気がする。
また、尊敬する元上司はこう言っていた。
本来は、本人が必要なセミナーを本人が自由に選べて、自由に行ける仕組みが望ましい。
これは実際やってみてわかったが、実践するには高い練度がいる。でも、こうなればもう自分で勝手に成長していくだろうから、投資に見合った成果も期待できる。性善説みたいな感じ。
勉強会に参加することに意味などない
参加することに意味がないといえば言いすぎかもしれないし、「そこまで細かいこといわなくても」という気持ちもわかる。
ただ、会社の時間を使う限り、筋ってもんがあるのではないかと思うのだ。
自己主張はいいんだけど、毎日遅刻してくるくせに、会議に遅れた人間をぼろくそに罵りだすように、了見が狭くなると残念な感じになる。自己主張がすぎると人は不愉快になるものだ。
まぁ、それでも気にせず突き進む人もいるわけで、平等か不平等か問われれば「間違いなく不平等だと思うよ」って微笑むけど、そういう人に対しては、働きマンの名言と同じで「意味など求める意味がない」のだと思う。意味は自分が見つけるものだ。
かといって、「必ず学びを持ちかえってこい」的な情熱を押しつけるとどうなるか? 多分、「業務時間内に勉強会に言った人は、必ずレポートを書いてわフィードバック勉強会をすること」とかいう、ひどくつまらないルールができてマンネリ化してさらにつまらなくなる・・・とか安易に想像できちゃう。
僕も正解は見つかってないんだけど、「勉強会マニアはカッコ悪いよ」っていつも言う。
[…] 子曰わく「勉強会に参加することに意味などない」 […]
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[…] 昔にも書いたんですが、同僚が突然、ドイツに旅立ったことがありました。彼はPHPの使い手で、当時人気が急上昇していたCakePHPのイベントに参加するとかでヨーロッパに向かったのです。 […]
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