先日開催されたDevLOVE2012で、「レガシーマインドセットからリーンアジャイルになるための8つのポイント」を紹介させていただきました。今回は最近マイブームになりつつある「かんばん」を使って、説明させていただこうと思っています。
元ネタは今年開催されたAgile 2012 Conferenceのセッションで聞いたものです。詳細はDevLOVEで使ったセッション資料や、セッション発表者であるDean Leffingwellさんが公開しているScaled Agile Frameworkを確認願います。
「Eight Transformational Patterns」と名付けられた8つのパターン。「We need a transformation “roadmap”.」と上に書かれているように、ロードマップとして使うこともできるかもしれません。
これを初めて見た時に、これまでいろいろと取り組んできたことがうまくマッチしたので、自分の経験を踏まえて整理・紹介しています。
1. たくさんのプロジェクトからWIPを使ったかんばん
WIP(Work in progress)とよばれる「Doing」な状態に制限をかけることで、作業効率をあげようとしています。タスクを抱えすぎてDoingな状態が長くなってしまったりしないように、Max2枚だけタスクを貼り付けるスペースを用意しました。
また、逆に手の空いたエンジニアが、作業をPull形式で取りやすくもなっているみたいです。
2. 詳細なプロジェクト計画から軽量なビジネス案
カードを使って小さい単位で機能を考えるようにしています。カードは
- わかりやすく短く書くこと
- 非エンジニアでも分かる言葉で書くこと
- カードはリリースできる単位であること
がルールになってきました。
3. 年間予算から徐々に追加投資
これはちょっと実体験がないのでパス。
4. エライ人が作る年間計画からチームによる計画サイクル
イテレーションがレーンになっているので、レーンが空いてきたら計画を作るようにしています。あんまり「リリース計画はいついつに!」とかしていないです。また、最低、4イテレーション分はタスク見積りしておくようになりました。
5. WBSからアジャイルな見積りと計画づくり
やることリストは、はじっこに優先順位順に並べてます。優先順位の入れ替えは自由で、優先順位の理由は、毎回プロダクトオーナー的な立場の人間に説明してもらうようにしています。
あとは、上から順番にプランニングポーカーを使って見積りし、イテレーションごとに計画を作るだけです。
6. プロジェクトからリリーストレイン
今は、2イテレーションで1リリースが多いので、かんばんでみると上 のように見ています。
7. PMBOKからアジャイルプロジェクトマネジメント
チーム状態の反映として、かんばんの状態をイテレーションごとにチェックしています。
上の図は、イテレーションの最終日にTODO、Doing、DONEの数をカウントして積み上げた図です。順調にDONEしているか?Doingが増えてないか?TODOはちゃんと作れているか?を確認しています。
8. WFのマイルストンと現実に即したマネジメント
現実に即するために、リリース対象は「リリース待ちゾーン」までたどり着き、それぞれ計測できるようにしておきます。計測については様々なやりかたがありますが、欲しい情報としては「使われているか」「想定通りの使われ方か」は最低限知っておきたいところです。
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元ネタセッションの情報については「Enterprise Agileを再考する」や「Legacy MindsetからLean-Agileへ」といったレポートも公開されていますので、あわせてご確認ください。