スクラッチでは、「プロジェクト」の中に「プログラム」をつくっていきます。プロジェクトは、つくりたいプログラムの作品名だとおぼえてください。今回は、かんたんなプログラムをつくって、スクラッチのそうさをおぼえていきます。

スクラッチにログインしてから、スクラッチのトップページをひらいて、画面の上にある「作る」をクリックします。
プロジェクトをつくって名前をつけよう

「作る」をクリックすると、「プロジェクト作成画面」がひらきます。これで、プロジェクトができました! おめでとう!

プロジェクトをつくったら、すぐに名前をつけましょう。今回は「Hello World」にしました。なぜこんな名前にしたかって? はじめてプログラムをつくるときの名前は「Hello World(ハローワールド。日本語だと「こんにちは、せかい」)をみんなつかいます!

名前はとても大切です。しっかり考えてつけるひつようがあります。そのプロジェクトの作品がひとめでわかる名前をつけてあげましょう(○: ネコがあるくスクリプト、 x: ネコ)。
つくったプロジェクトは、君がスクラッチにログインしていれば、じどうてきに保存されます。プロジェクト作成画面の右上にある「ユーザー名」をクリックし、「私の作品」をクリックすると・・・

このように、保存されたプロジェクトがあり、プロジェクト名をクリックするとプロジェクトページがひらきます。プロジェクトページはプロジェクトを動かしたりできるページです。プロジェクトを公開している場合は、ほかのお友だちが見るページでもあります。
「中を見る」をクリックすると、そのプロジェクトのプロジェクト作成画面になります。つくりかけのプロジェクトにもどるときは、ここからもどれるのでおぼえておきましょう。「私の作品」へは、プロジェクト作成画面からではなく、スクラッチのトップページなどからもいくことができます。
プロジェクト作成画面について

プロジェクト作成画面にもどります。プロジェクト作成画面はいくつかのエリア(場所)にわかれています。
- ステージエリア ・・・ステージエリアは、プログラミングがうごくところです。プログラミングをつくり、実行すると、ステージにあるスプライト(ここではネコの絵)がうごきます。
- スプライトエリア ・・・スプライトは、プログラミングでつかう画像(絵)です。スクラッチにはいろんな画像がよういされていますが、自分でつくることもできます。
- コマンドパレット ・・・ コマンドパレットには、「コマンド」というプログラミングの部品(パーツ)がたくさんあります。
- スクリプトエリア ・・・コマンドパレットにあるコマンドをスクリプトエリアにならべて、「スクリプト」をくみたてていきます。スクリプト = プログラムとおぼえてください。

画面右上の君のアカウント名の下には「プロジェクトページ参照」があります。ここをクリックすれば、かんたんにプロジェクトページに移動できます。
れんしゅうもんだい1: ネコがあるくプログラムをつくってみよう
プログラミングをつくるそのまえに! この講座では「スペック(仕様)」ということばをつかいます。スペックとは、「そのスクリプト(プログラム)がどのようにうごくのかをまとめたもの」です。いまから、はじめてのプログラムをつくりますが、そのスペックはしたのようになります。
- ネコのスプライトを左から右へうごかす。
まずは、このスペックをプログラミングしてみましょう。

プロジェクト作成画面をひらきます。上の画像(がぞう)のように「スクリプト」をクリックして、スクリプトエリアをひらきます。そして、「動き」の中にある「10歩動かす」をクリックし、クリックしたまま右のスクリプトエリアにおきましょう。
クリックしたままうごかすことを、「ドラッグアンドドロップ」といいます。ドラッグは「クリックしたまま」という意味です。アンドは「そして」。ドロップはクリックをはなすという意味です。これからたくさんつかう技なので、おぼえておきましょう。

スクリプトエリアにおいた「10歩動かす」というコマンドをクリックすると、ステージのネコが右に少し動くはずです。はじめてのスクリプトがうごきました! おめでとう! このようにプログラミングがかんたんにできます。
何回もクリックしてみましょう。10歩だともっと動くのかなぁと思うかもしれませんが、スクラッチの10歩はこれぐらいの長さなのです。ちょっとしかうごいていませんが、スクリプトはちょっとずつつくっていくものです。これからこの講座もだんだんむずかしくなっていきます。
これでスペック「ネコのスプライトを左から右へうごかす」ができました! でもこれだとあんまりおもしろくないですね。では、スペックをなおして、もっとネコをうごかしてみましょう。
- ネコのスプライトを左から右はしまでうごかす。
さて、どうすれば、このスペックをプログラミングできるでしょうか? ちょっと考えてみてください。
ネコの位置をもとにもどそう

つぎのれんしゅうもんだいにすすむまえに、ネコの位置をもどしておきましょう。10歩うごかしたネコは、自分でもとに戻れません。ステージで右に動いたしたネコをドラッグアンドドロップで、ステージのまんなかにおいてあげましょう。
れんしゅうもんだい2: ネコを右はしまで動かす
さて、れんしゅうもんだいにもどります。スペックはこんなかんじでした。
- ネコのスプライトを左から右へ動かす。
スペックをプログラミングする場合、いろんな方法があるため、答えはひとつではありません。君はどんなスクリプトがうかんだかな? ここでは、かんたんにできる方法を紹介します。

「10歩動かす」をいくつもならべましょう。こうすれば、すきなだけネコを動かすことができます。でも、なんこもコマンドをドラッグアンドドロップするのはめんどうですね。
スペックをプログラミングするためにプログラミングをしてスクリプトをつくります。スペックをプログラミングできれば、上のようにめんどうなスクリプトであってもOKです。しかしながら、ひとつだけおぼえておくといいことがあります。それは、「スペックをプログラミングするために、もっといいやりかたを考える」ことです。さて、もっといいスクリプトをつくれないものでしょうか?

たとえば、「10歩動かす」を「1000歩動かす」にかえる方法もあります。これだとパーツをなんこもつなげなくていいので楽ちんですね。そして、前よりスクリプトが見やすくなりました。前よりいい方法に見えます。

もっといい方法はないでしょうか? 上のように「制御」にある「ずっとコマンド」をつかう方法もあります。「10歩動かす」を「ずっと」の中にいれると、シュイーンとネコが右へと歩いていきます。上のやりかたより、ネコの動きがスムーズでいいですね! とめるときは、もういちどスクリプトをクリックしてください。
「制御」についてはあとで説明しますが、ここでは、「ずっとの中にあるコマンドをずっと実行する」のが「ずっと」コマンドとおぼえておいてください。「ずっと」コマンドがあれば、「10歩動かす」をたくさんつなげなくても、かんたんにくりかえすことができます。上でも書きましたが、コンピューターはくりかえすことが得意なので、こういった制御をつかって、効率よくプログラミングしていきます。
コンピューターの得意なこと

スクリプトを動かすコンピューターはとてもかしこいです。そして、ぼくらみたいにつかれることなく、ずっと元気にスクリプトを動かせます。コンピューターは、同じことをくりかえしても、つかれたり、まちがえたりしません。これは、コンピューターの得意なことです。
コンピューターの得意なところは、すでに君も知っているはずです。たとえば、スクラッチはプロジェクトをくりかえし自動で保存してくれますね。これも得意。また、スクリプトをなんども実行できるのも得意だから何回もできるのです。
この講座で学んだこと
- 名前はしんちょうに決めよう。わかりやすい名前をつけよう。
- スペックはスクリプト(プログラム)の内容をまとめたもの。スペックをもとにプログラミングをします。
- プログラミングの答えはひとつではありません。もっといい方法がないか? 考えてみましょう。
- コンピューターは、つかれないのでくりかえす仕事が得意です。何回でもおなじようにスクリプトを動かせます。
はじめてのプログラミングはいかがでしたでしょうか? かんたん? 難しかった? これからはもっともっとおもしろいプログラムを作っていきましょう!
- 今回つくったプロジェクトは https://scratch.mit.edu/projects/118859946/ にあります。
- つぎの講座は「スクリプトの動かしかたと止めかた」です。
- まえの講座は「スクラッチをつかうじゅんびをしよう」でした。
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