海外の方と話す機会が増えて、学んだことはたくさんあるが、印象深いのは「私はそう思わない」とはっきり相手に伝える姿勢だ。日本人同士だと「まぁ、わからんでもないが、そう思わないなぁ」と感じたりして、口に出さなかったり、雰囲気で乗り切ったり。でも、はっきりと違いを伝えるほうが大事な気がする。
違うことにムッとする日本人
正直に言うと、はじめてこう言われたときはムッとしていた。今思えば恥ずかしい限りだが、言語や文化の違いによる「ちょっとした意思疎通の摩擦」を受け入れられなかったのだろう。
今だと「まったくそうは思わないです」と普通に話してしまうが、最近だと相手がムッとして黙りこんでしまった。
「じゃ、意見なんて聞くなよ」
言う立場になってそう気がついた。
「そう思わないその理由」を聞いていると、大多数は勘違いで、時間がかかってイライラしてしまうのもわかる。でも、ふと気になったことを、フランクに聞くスキルって、気を使う日本人にはなかなかないスキルであり、見習う価値はある。
デメリットばかりに目がいってしまうが、細かい認識違いがのちのち大きな勘違いになるのを防いだり、会話によってお互い何かに気がついたり、メリットもたくさんある。
そもそも、コミュニケーションは双方向であるべきだ。コミュニケーションとアナウンスは全然違う。
それに、英語で話したり聞いたりするときに、スキル的に未熟な自分は「エクスキューズミーと会話を遮るスキル」や「それどういう意味? と聞き直すスキル」でたくさん助けてもらった。
いつのときも、彼らは嫌な顔せずに助けてくれたのだ。
こういう寛容性を目の当たりにすると、当たり前のことを思い返す。
人によって意見や考え方が違ったりするなんて当たり前。違った意見がぶつかるのも当たり前。その違いから発見が生まれるのも当たり前だ。
「私はそう思わない」という態度を学んでからは、意見が異なる中で、そして、限られた時間の中で、どう決着をつけるかが大切になる。
それができれば、大抵のことはうまくやれそう。