4/7-8に開催された新経済サミット2016に行ってきました。なんか久しぶりの大型イベントでしたが、ノートいっぱいにメモを書くぐらい面白かったです。なんというか実用的というより、新しい考え方を知ったり、ちょっと先の未来を想像する楽しさがありました。
医療のイノベーション
再生医療ベンチャーの代表者が語り合うセッションでした。脳の再生によって半身不随を改善させたり、がん細胞だけ殺す技術とか。後者はさらにすごくて、複数あるがん細胞(転移)の一つをつぶせば、残りもだんだん小さくなるっていう「おいおい、まじかよ」ってなるぐらいの医療技術です。
このセッションで感じたのは、ビジネスと医療技術革新の関係性。どの方も「患者に届けなければならない」という使命感を持っています。そして、そのためにはビジネスとして成り立たせなければならない。
しかし、医療分野って人類レベルで重要だと思うんですよね。ビジネスである必要があるのだろうか? 市場原理や競争が生み出すスピード感はあると思うんですが、どれも「はやくやったほうがいい」わけなので、ビジネスというより国家レベルの競争のように感じました。そうかんがえるとベンチャーが国を引っ張ってるわけです。「日本から世界へ」ってみんな言うんです。
あとは、ベンチャーである必要があるか? という点についての回答が面白かったです。
- 大企業 => 資金が潤沢。でも意思決定に時間がかかり、意思決定先が遠すぎて現場がその意志を汲み取れない場合がある
- ベンチャー => すべてにコミットメントが必要なので邁進しなければならない。資金調達が重要になる。
アメリカでも西海岸は小さくはじめるところが多く、東海岸は会社を作ってからはじめるといった文化の違いがあるみたいです。
産業用ドローン時代の幕開
元WIRED編集長であり「ロングテール」の提唱者としても知られるクリス・アンダーセンが登場するセッション。クリスさんは先見の明がとてもあり、『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』が出たあたりで企業されたので、彼が考える未来にとても興味があります。
自分はドローンを会社の同僚に教えてもらい、実際に会社で飛ばして遊んで、「どうせヘリコプターのラジコンでしょ」と思っていたのが、「なんかすごいぞ」に変わりました。なんて言えばいいんだろう。可能性がむちゃくちゃある感じ。インターネットをはじめて使ったときにとても似ていました。
登壇者も一様にドローンの可能性を語ってくれます。イメージしやすいのが千葉が検証を今月からはじめる配送ですね。これができれば、物流に革命が起きるかもしれない。
さらに、クリスさんの会社がやっている、スマホでワンクリックすれば地形が3Dスキャンされクラウド上に集められるという、ドローンをスマートデバイスとして活用するビジネス。ドローンがネットワークにつながったら? データがクラウド上にたまったら? そのデータを有効活用できたら? さすがに斜め上いってるなぁ。
ただ、まだはじまったばかりのドローン革命には壁もたくさんあります。例えば、「安全の再定義」。飛行機と違い、低空を飛行するドローンは風や障害物の影響をもろに受けます。プライバシーはどう守ればいいのか? 大量のドローンが飛ぶようになったら、そのトラフィックをどう制御すればいいか? ドローン空港は必要なのか?
インターネットが20年ぐらいであたりまえになったように、ドローンが生まれたあとの20年はどういった社会になっているのか? 未来しか感じないすばらしいセッションだったように思います(モデレータの司会もすばらしかった)。
教育の未来
モデレータの鈴木寛さんが目立ちすぎて登壇者の話があまり聞けずに残念だったけど、僕も興味がある「教育の未来」についてのセッションです。
過去は消費の社会だった。足りないものがたくさんあって、作れば売れる時代。でもそこから、消費者すら「何がほしいか?」わからない時代がやってたので、教育についてもその時代にあった形にしていく必要がある。ってところはとても共感できました。その手段として、Lingvist Inc.のような「速習」を売りにしたベンチャーや、LITALICOのような学習支援ベンチャーが登場したのでしょう。
LITALICOの長谷川さんが「それぞれの個性にあった教育を提供したい」ってのは、とても贅沢でとてもうらやましい未来です。
基調講演 – ロボット工学と人工知能がついに結ばれる
楽しみにしていたAndroidの父と呼ばれるアンディー・ルービンさんの基調講演。面白かった。iPhoneで写真を撮ってごめん。
DOS => Win/Mac => Internet => Mobile => AI
次はAI。そのためには大量のデータが必要になる。Android作った人がロボットの話するところが激アツ。
ロボットのデモもありました。バランスをくずした体制を立て直すところは「おお!」ってなりますね。また、Googleに買収された東大発ベンチャーSCHAFTって、パトレイバーのライバル「グリフォン」の開発元と同じ名前なのが激アツ。
WHAT IS AN ENGINEER?
In the near future, computer science graduates of top universities will know how to program AND how to train neural networks.
「コンピュータ科学を学んだ卒業生は、プログラム方法とニューラルネットワーク(神経回路網。脳を数学的にモデル化したもの?)を勉強することになる」とでも言うのでしょうか? つまり、人間の考え方に近いレベルのプログラミングが必要になるってことかな。
Tokyo as a New Silicon Valley
暗くて暖かくてちょっと寝てしまいましたのでざっくり。
- モデレータすばらしい
- みなさん起業されて走り続けている方なので、一言一言が重い。重い? 実体験だから真実味があるといったほうが正しいかも。別にいいこと言おうとしている感じがしない
- 「起業 = 手段」を感じた。エグジットして次に進んだり、誰かをサポートしたりするビジネスがあり、そのための手段。そういう感覚はサラリーマンやってると中々理解できない。例えばどういったスキルが必要なのか想像ができない
- 伊知地さんは16歳で単身渡米して、すでに4社創業とか異次元レベル。
おわりに
技術系のイベントに行くことが多いですが、とても刺激的なイベントでした。ビジネスとテクノロジーのバランスがいいので、興味を超えた発見が多かった気がします。今はシングルセッションだけど、将来的に1週間で並行5セッションぐらいになって、イノベーションの発見が日本に集まってくるようになればステキ。
言葉の端々に発見を感じたので、それを噛み砕いて自分の未来に活かしてみます。
[…] なんというか実用的というより、新しい考え方を知ったり、ちょっと先の未来を想像する楽しさがありました。 [紹介元] 未来をちょっとのぞくために新経済サミット2016にやってきた […]
いいねいいね
[…] なんというか実用的というより、新しい考え方を知ったり、ちょっと先の未来を想像する楽しさがありました。 [紹介元] 未来をちょっとのぞくために新経済サミット2016にやってきた […]
いいねいいね