元トヨタのエリート社員がおすすめするプロセス改善や業務改革を学べる13冊

最近知り合った方がプロセス改善にとても詳しかったので、どこでそんな勉強したのかを聞いてみました。すると、その人の上司が元トヨタのエリート社員で、「改善って言う前にこの本を読め!」と12冊オススメされたそう。どれも面白い本だったので、読んだ感想をそえてまとめてみます。

トヨタ生産方式 導入の奥義

トヨタ生産方式 導入の奥義

「トヨタ式最強図解」だけあって、A3一枚にまとめるトヨタメソッドで各ページ紹介されています。製造業じゃない僕でもよくわかりました。

「こういうことがあってこうした」という、著者の経験が語られている部分が一番面白く、トヨタの改善マインドが、長い年月をかけて練られてきたものだと改めて感じました。

リンク: トヨタ生産方式 導入の奥義

トコトンやさしいコストダウンの本

トコトンやさしいコストダウンの本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

コスト削減がメインの本。工場の話なんだけど何かとヒントになる事例が詰まっています。表紙を見ると「大丈夫か・・・この豚さん・・・」って思うかもしれませんが、中身はとても硬派です。

リンク: トコトンやさしいコストダウンの本

リーン・シックス・シグマによる業務改革の推進(PDF)

リーン・シックス・シグマによる業務改革の推進

ファイルはこちらから確認可能です。

PDF(約2.8MB): http://www-06.ibm.com/services/bcs/jp/solutions/sc/pdf/leansixsigma.pdf

書籍『ザ・ベロシティ』にも登場するシックスシグマによる業務改革に関するミニドキュメント。キャタピラー社やボスコ社の事例が面白いです。

トコトンやさしいトヨタ生産方式の本

トコトンやさしいトヨタ生産方式の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

バイブル『トヨタ生産方式』が読みにくい人でもすんなり頭に入ってくるわかりやすさ。でありながら、見開き2ページで解説されているので読みやすい一冊。

仕組みや改善本にとっつきにくい方は、このトコトンやさしいシリーズから入るのがオススメです。

リンク: トコトンやさしいトヨタ生産方式の本

トコトンやさしい作業改善の本

トコトンやさしい作業改善の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)

面白いポイントが結構みつかった良書。

  • もともと100の成果を出していた作業を、10人で120に上げるのと、8人で100を維持するのとどっちが重要か? ひとりあたりの生産性を上げても、ムダに多く作っては意味がない。
  • 作業改善を徹底的にやらないで設備改善を実施してしまうと、ムダがそのまま機械化されてしまう。「せっかく設備導入したしー」ということで、設備中心で考えてしまいがち。

リンク: トコトンやさしい作業改善の本

Running Lean ―実践リーンスタートアップ

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

個人的にはこの本は全然面白くなかったんだけど、唯一いいところは「リーンキャンバス」というツールが紹介されているところだと思う。

アジャイルサムライ』のインセプションデッキに似ているけど、アイデアをグラフィカルに整理できる点でいうと、こちらのほうがわかりやすく感じます。

それにしても、海外版TPSであるリーンを、元トヨタ社員が紹介するって面白いですね。

リンク: Running Lean ― 実践リーンスタートアップ

図解 よくわかる非製造業もトヨタ生産方式

図解 よくわかる非製造業もトヨタ生産方式 (B&Tブックス)

基本的な説明がはじめに書かれていてわかりやすい本でした。非自動車産業での事例がなかなか面白くて、改善の考え方ってどこでも通用するんだなぁと、あらためて普遍的な知識に触れた気がします。

リンク: 図解 よくわかる非製造業もトヨタ生産方式

日産V-upの挑戦 カルロス・ゴーンが生んだ課題解決プログラム

日産V-upの挑戦 カルロス・ゴーンが生んだ課題解決プログラム

倒産の危機にあった日産が生み出した、クロスファンクショナルチームを主軸とした課題解決事例。

やってることはたいして目新しくはないですが、解決が難しい組織を横断する課題に対して、工夫を重ねた仕組みを作り上げてるのが面白いです。

仕組みを自分で作れる仕組みを考えられるところに、日産の強みを感じます。

リンク: 日産V-upの挑戦 カルロス・ゴーンが生んだ課題解決プログラム

よくわかるトヨタ式改善活動と最新事例

よくわかるトヨタ式改善活動と最新事例

月刊「工場管理」の2009年2月臨時増刊号。この本のいいところは・・・

よくわかるトヨタ式改善活動と最新事例

こんなかんじで実例を写真付きで確認できるところです。さすがにここまで事例がたくさんあつまった書籍はあまりなく、製造業中心にさまざまな企業の事例が紹介されています。この本をチョイスするところにセンスを感じてしまいました。

リンク: よくわかるトヨタ式改善活動と最新事例

トヨタ生産方式 – 大野耐一

トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして

「改善」という言葉が「Kaizen」になって全世界的に使われるようになったのも、バイブルと呼べるこの書籍『トヨタ生産方式』があったからこそでしょう。

1978年5月(僕の誕生月じゃん!)に出た古い本ですが、今読んでも新しい発見がある良書です。改善系の仕事をしてる人から、毎回おすすめされますね。

リンク: トヨタ生産方式 ― 大野 耐一

モノの流れをつくる人

モノの流れをつくる人 大野耐一さんが伝えたかったトップ・管理者の役割

とても読みやすいのでトヨタ生産方式を学ぶなら入門書として最適。

それもそのはず。トヨタ生産方式を生み出した大野耐一さんから学んだ教えが丁寧に説明されており、管理者とは? トップとは? 著者が見て経験してきたことが詰まっています。

リンク: モノの流れをつくる人 – 大野耐一さんが伝えたかったトップ・管理者の役割

ザ・ベロシティ

ザ・ベロシティ

12冊の中で、僕にとって一番面白かったのがこの本でした。僕の場合は、アジャイル開発というものに詳しくなれた経験から、なんでもかんでも「アジャイル開発」に持っていこうとする人、単純にアジャイル開発やりたい人、なんでもかんでもアジャイル開発以外が原因にする人とか、方法に対する衝突を多く見てきました。なんか途中でアホらしくなって、ちょっと距離をおーこーうーってなってるのが今。

本書は、物語形式で書かれているので冗長に感じるかもしれませんが(ぶ厚い!)、変化を注入(AdptionじゃなくてInjectionって表現しているのもまたステキ)し、抵抗や葛藤があり、絶望を乗り越えて人間が成長し成功を獲得する。古びたアメリカンドリームに読めるかもしれませんが、プロセスや改善に魂をこめてきた自分にとっては、改めてその良さに背中を押される気分でした。

人間を尊重し、価値を創造する。こんな面白い仕事はない。

リンク: ザ・ベロシティ

おわりに

TPSの説明から実例、導入物語まで、幅広く選ばれた12冊は読みごたえ抜群でした。個人的には、TPSの概要より、(架空ですが)物語形式で語られた『ザ・ベロシティ』や日産の事例がとてもイメージしやすくて面白かったです。

リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営

最後の1冊は僕からの紹介です。ソフトウェア開発にかかわる方でしたら、僭越ですが僕も翻訳に参加させていただいた↑の『リーン開発の現場』がオススメです。実際のプロジェクト事例が読み物としても面白く、明日からチャレンジしてみたくなるアイデアやプラクティスがつまっています。

最後に、ありきたりですが、変化は摩擦や衝突を生み出し、改善は粘り強くやっていく必要があります。そして、それら全てに関わるのが「人」。人は感情で動きやすく、わがままで傲慢でもある。だから改善は難しく、やりがいのある仕事なのでしょう。

リンク: リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営

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