プロダクトオーナーとエンジニアの役割分担が失敗した話

By: Magic Madzik

友達から「優秀なエンジニアが会社をやめた」という話を聞いた。まぁ、とても残念な話ではあるだろうが、友人の話がなぜか心の奥にひっかかっていたので、考えをまとめながらここに書いてみる。

衝突と絶望

あるエンジニアがいた。彼はあるプロダクトに長く貢献していた人物だ。最近、組織や体制が変わったことにより、プロダクトの作り方や方針に変化がでてきた。

やがて、プロダクト面とエンジニアリング面で衝突がよく起きるようになった。

プロダクト面からは、決まった方針とともに作業が降りてくる。プロダクトに責任を持つ立場だとすればその気持ちもわかる。一方で、プロダクトを愛し、これまでに貢献してきたというプライドを持ったエンジニアの気持ちもわかる。エンジニア視点の意見も当然あるだろう。

ひとつのプロダクトに関わっているはずなのに、両者には溝が生まれた。

そして、当初、そのエンジニアはプロダクト側の意見に対して反論をしていたが、ある日を境に反論しなくなっていった。言われたことをもくもくとやるようになった。

しばらくして、そのエンジニアは会社を辞めた。

役割分担と責任範囲

最近は、プロダクトマネジメントとエンジニアリングを分ける考え方が流行っているみたいだ。これに加えて、プロジェクトマネジメントまで切り離して役割分担する場合もあるらしい。

プロダクトマネジメント、プロジェクトマネジメント、エンジニアリング。役割をわけるだけでうまく物事がすすむわけでは決してない。でも、最近流行りのスクラムは、スクラムマスターみたいな目立つロールが目立つだけになってしまい、役割間の衝突が問題になってしまった・・・という話をよく聞く。本当にバカだなぁと思うと当時に、ブームって怖い。

友人の話がひっかかってたのは、流行りのヘボスクラムが原因ではなくて、だんだん反論をしなくなったそのエンジニアの気持ちが、自分にとっても痛かったからだろう。そんな思いをしたくないし、させたくもない。

ただ、腕の良いそのエンジニアなら、いい仕事が見つかるだろう。そして、そこでステキなプロダクトを作るだろう。心からそう願う。

そして、そのエンジニアが辞めた一ヶ月後、その友人も辞めたらしい。