アニメでよく出てくる悪い組織の「世界征服」。でも、よくよく考えると、その結果、何をしたいのかが分からない部分が結構ある。本書にもあったが、たとえばフリーザ。世界一強いのに、地球を侵略して高値で売ろうとしている。なーぜー。
そういう謎に、かたよった解釈をしているのがこの本。特に、バベル二世の話と、レインボーマンの話は面白い。中でも、「空飛ぶゆうれい船」という古いアニメの説明が面白くて、「ボア」というのが悪の象徴らしいのだけれど、正体がわからない。それで、アニメの中で「ボアジュース」というのが宣伝で流れていて、一般的な飲み物になっているそうだ。
しばらくして、主人公が気が付きこう言う。
「おいしいとか便利というだけで、このボアジュースを買ってボアに資金協力をしている俺たち自身が、ボアの正体だったんだ!」
アニメの枠を超えた考えさせられる展開。
そして、ラスボスは「ハマグリ」の形をしているらしい。シュールすぎる。こういう話がえんえんと書かれているので、気になる方はどうぞ。新宿ロフトプラスワンから生まれた本ということに納得。