
先月でmablとのフルタイム契約が終了しました。日本人一人目の社員として、完全外資企業の社員として、働いて学んだことをメモっておきます。
そもそも
ボストンのテスト自動化クラウドサービスベンチャー「mabl」にJoinして思ったことにあるように、ご縁があってmablに参加しました。
もともとのモチベーションは、日本人初めての社員として、開発以外の部分である営業、カスタマーサクセス、カスタマーサポートやマーケティングに関われることでした。
無謀かもしれませんが、これまで経験のない開発以外全部を、自分一人でやらなければならない。そういう状況が、自分にとって新しいチャレンジになるのではないかと思っていました。
やってみてどうだった?
大変でした。ただ、全部自分で考えてやれるのは自分の性によく合うみたいで辛くはなかったです。なによりもお客さまやパートナー企業に恵まれて、助けられたように思います。少しでも、みなさまの課題解決のお力になれていれば嬉しい限りです。
営業やカスタマーサクセスは、USの営業トップに教えてもらいながらやっていました。「へー、営業ってこんなこと考えているのか」と新鮮な学びはありましたが、「ダイ!お前ならできるさ!」とガンガン励ましてくれたけど、営業に関する関心が少ないので全然ひびかなかったり・・・(ごめんなさい)。
ただ、顧客に対する誠実さを考えたときに、「絶対嘘はつかない」、「かけひきをしない」、「自分にとって都合の悪いことも正直に話す」と決めてやってみましたが、それである程度の成果が出たのはうれしいものでした。よいプロダクトなら嘘をつく必要はない。
グローバル企業ならではの言語や文化?の違いはありました。相手は日本語を話せず、こちらは英語が上手ではないのですが、さすが多民族の国なので、考え方の違いをどうするか?ってところでお互い試行錯誤したと思います。また、相手は粘り強く説明をしてくれた気がしていますが、意外とロジカルじゃなかったのでメイクセンスと言えず。ご親切にどうもありがとう。
プロダクト開発に関しては、少しぐらいしか関われませんでしたが、海外と国内はやっぱり全然違う環境なので、グローバルなプロダクト開発は難しく思いました。ある外資系企業の人が「海外支社で求められるスキルとして大切なのは、国内の要望を本体に伝えて、コミットメントまで取り付けること」と言っていましたが、温度感ってなかなか伝わらないですよね。かといって「売上目標に影響が出るからこれを優先してほしい」のように思考停止するもダサい。
ひとつのサービスに詳しくなる経験もできました。おそらく日本で一番、世界で5本の指に入るぐらいサービスに詳しくなったつもりですが、mablはプロダクトがすごくいいので(しばらくは世界のトップランナーだと思う)多くの学びがありました。ただ、ツールはツールでしかないので、それをどうやって活用し、ユーザの価値につなげるか?という点は、終わりがない学びの旅です。
間違いないのは、ツールだけの力で、課題がすべて解決する・・・なんて幻想だということです。
ブランドイメージを広げるための活動も楽しかったです。特にコミュニティづくり は予想通りうまくいきました。予想通りというのは「ふふふ、僕すごいっしょ」というより、前々から「アジャイルなQAやテストに興味を持ってる人絶対多いはず」と思っていたので、同じ感覚を持つ人が、ちょうどいい感じで、ちょうどいいタイミングで、ちょうどよくたくさんいて、ちょうどいい感じに共感を得られたんじゃないかと思います。たくさんのご参加本当にありがとうございます。
コロナ禍でオンラインが当たり前になった影響もあってか、イベントの参加メンバーは1700名を超え、特にすばらしい激レアさん有識者を招いたファイヤーサイドチャットイベント「人類よシリーズ」は、参加者が毎回数百名規模となり、参加者からの評価も高かったです。
トレーニングシリーズに見立てた「スタートダッシュシリーズ」でもひととおりの情報を話せたので、これから自動化を考える人達の少しでもお役に立てればうれしいかぎりです。このあたりはいろんな知見が溜まってきたので、がんばって本でも書いてみようかなと言う気になってきました。その前に連載がんばらないと・・・。
今後もまた機会があれば、似たような企画を考えていきたいと思っています。もし一緒にやりたい!っていう方がいれば、ぜひご連絡ください。
なんで?
おかげさまで、日本のビジネスの規模はどんどん大きくなりました。これはひとえに自分の営業力ではなく、プロダクトの強さと自動化ブームが重なったのが原因だと思います。
しかし、人が増えると「全部自分で」ができることが減ってきます。さらに、一生友達にはなれないんだろうなぁという人も入ってきます。
いいところもたくさんあります。素晴らしいと思わないこともあります。
もうやめちゃったけど、仲良かった同僚エンジニアの言葉
全部が「素晴らしい」に越したことはありませんが、自分にとって「素晴らしくない」ことなんて、誰もが腐るほど持っているはずなので、そういった違いがあっても、誰もが快適に働ける職場で働きたいし、そういう現場を作らなければならないな思いました。
独立したときにも思いましたが、これからの人生は、よりよいプロダクト、よりよい人たちと働きたいと変わらず思います。
次は?
mablの仕事の影響で減らしていたアジャイルコーチの仕事に注力していく予定です。(アジャイルテスティングが倒せないけれども)アジャイルなQAやテスト自動化の相談も変わらず多いので、テスト自動化にはまだまだ関わっていく機会があるかもしれません。mabl以外の仕事もできるようになったので、違ったツールやサービスのキャッチアップも必要。
なかなか密度の濃い1年ちょっとだったので、少し休憩して、今回のようにぜんぜん違うことにチャレンジもしていきたいと思っています。興味のあるテーマが見つかるといいなー。
またどこかでお会いできるのを楽しみにしています。