アジャイルポリス・スクラムポリスに気をつけて

アジャイルコーチをしていると「うまくスクラムができているかわからない」とか「スクラムマスターって何をするものなのか」といった相談をよく受けるんですけど、世間一般的に言うなら「一度、テキスト通りにやってみて、そこから徐々に変えていく」のが良さそう。もうひとつつけくわえるなら、アジャイルポリス・スクラムポリスに気をつけて。

アジャイルポリス・スクラムポリス

マツコの知らない世界で知ったのですが、「着物ポリス(着物警察)」という人たちがいるそうです。

参考:「着物警察」のせいで和装離れが加速、街中での警笛はもはやパワハラの域

別段悪いことしているわけではないのに、知らない人にいきなり注意されるとか、正直ゾッとしますね。

でも、これと同じような「アジャイルポリス」や「スクラムポリス」もいるよなぁと感じました。例えば、

  • 僕の考えるPO/スクラムマスターの役割と責任はこれだ
  • 本にはこう書かれているからこれが正解だ
  • それはアジャイル開発ではない。スクラムではない。
  • それはアジャイル開発だ。スクラムだ。

ちょうど先日、チーム構成や役割の相談を受けたときに、「アジャイルやスクラムってことは一回忘れて、その人にやってほしいことを整理しましょう。名前は後でつければいいじゃないですか」という話をしました。

結果的にできたものはスクラムマスターでもプロダクトマネージャーでもなく、その組織特有の役割を持った「何か」だったのです。

それがすんなり世間的なスクラムマスターだったらスクラムマスターでもいいし、「内のスクラムマスターはこうだ」だったらそれでもいいと思います。

いろいろ整理すると、「スクラムマスターかどうか」や「プロダクトマネージャーとは何か」ではなかったわけです。最後に、その場にいた人にこんな質問をしました。

「いろいろ話しましたが現状において、スクラムかどうかって重要でしたか?」

「1ミリも重要じゃないですね」

アジャイルポリスに気をつけて。スクラムポリスに気をつけて。これは誰かだけの問題ではなくて、あなた自身ですらポリスになりうるということなのです。