2018年に読んだ150冊の中から選ばれた星5つのスゴいベスト本


2018年が終わろうとしています。はやいものね。今年はこの記事を書いている日で162冊本を読むことができました。そのなかで見つけた五つ星本10冊をご紹介。前年は200冊呼んで5冊だったので、豊作のようです。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? – ジョージ・オーウェル

誰もがどこかで聞いたことがあるかもしれない有名なタイトル。僕は映画『ブレードランナー』を観ていて、最近だと『ブレードランナー2049』が公開され、その映画もよかったので原作に手を出してみました。

それにしても面白い。

まるでジョージ・オーウェルの『1984』の衝撃。原作とはちょっと違うストーリーですが、それでも一気に読んでしまうほど、本に引き込まれてしましまいます。人工的に作られた生物レプリカントの苦悩は、今の時代でも十分通用するテーマです。

会議でスマートに見せる100の方法 – サラ・クーパー

働いていると、頭をよく見せるスキルがときに必要になります。これまで感覚でやっていたことが、体系的に理由づけされて整理されているのがこの『会議でスマートに見せる100の方法』です。

詳しくはぜひ読んでもらいたいのでここに書きませんが、これを読んだあとにMTGに参加すると、笑いたくて笑えない状況が続くでしょう。それほどに、スマートに見せてくる人は世の中に多いのだと思います。

僕らは海へ – 那須正幹

『君たちはどう生きるか』みたいにぐさっとくる本。読み進めると止まらなくなって、終わり方が衝撃的過ぎて思わず「まじか」とつぶやいてしまいました。 偕成社さんの解説がまさにそれ。

「学校と塾との往復だけが人生じゃない」誠史たちは筏作りに熱中し、そして航海に出る。大海原を夢みる少年たちを通し、現代社会の矛盾を描いて、児童文学界に衝撃をあたえた傑作長編。

偕成社の内容紹介より

途中から「え、これ読んでていいのか?」と戸惑ってしまう児童書です。『船に乗れ!』を思い出す。

地球の歩き方 ガチ冒険~地球の歩き方社員の旅日記~


地球の歩き方社員がまとめた自分たちの旅日記。今は大人になったバックパッカーたち。あの頃を思い出しながら、自分たちの旅をふりかえるのです。

はじめはネタ本として楽しく読ませていただいていましたが、あとがきに書かれている「この本が生まれた理由」を読んで、著者たちの会社や旅に対する熱い想いに胸を打たれます。

旅のバイブルであった地球の歩き方は、旅が一般化したり、インターネットが発達するのと同時に、普通の旅行本になってしまったのかもしれない。でも、旅というものはそんな簡単なものではないはず。

僕は今も旅行に行くときに地球の歩き方を読みます。この本を読んで、今後も地球の歩き方を読もうと思いました。本の名前も素敵ですよね。

おへそのあな – 長谷川義史

子どもたちが寝る前に2冊絵本を読む習慣を続けています。この『おへそのあな』は、読んでいるうちに涙が止まらなくなって、「お父さん、なんで泣いているの?」と聞かれてしまった1冊のひとつになりました。

この本を読んで、子供に対して考えていたことが自分の中に見つかり、それと同時に、子供から見た自分が新しく見つかりました。

来年お子さんが生まれる同僚にもプレゼントしてしまったぐらい大好きな本です。

戦雲の夢 – 司馬遼太郎

自分に惚れこみ、自分の才を信じて事を行えば、人の世に不運などはあるまい

戦雲の夢 − 司馬遼太郎

戦雲の流れに乗り切れなかった長曾我部盛親の物語。戦国の夢を語るのであれば、英雄武勇伝があればいい。でも、英雄なんてごく一部で、彼のような英雄の影に隠れた英雄もたくさんいたはず。

最後の合戦がさわやかで泣ける。敗軍の将の生き様に、心を揺さぶられてしまいました。

八十日間世界一周 – ジュール・ヴェルヌ

飛行機で読み出して「うおおおぉぉぉ!」と一気読みしてしまった最高の冒険SF小説です。

遠い過去。「80日で世界一周できるか」を賭けて、英国人資産家のフィリアス・フォッグが挑む冒険活劇。最後まで毅然とした態度で旅に挑む主人公が、数々の困難に立ち向かいます。

現在だと飛行機がありますが、この時代は船と電車のみ。途中には未開拓な土地もあり、ジェットコースターのような物語が続き、その最後にも驚かされます。

地底旅行 – ジュール・ヴェルヌ

ジュール・ヴェルヌ作品には強いリーダーがいつも登場します。この物語では偏屈なリーデンブロック教授と、孫のアクセル。忘れてはいけないのが道案内ハンス。三人は力を合わせ、地球の中心へと挑みます。

本書はディズニーシーにあるセンター・オブ・ジ・アースの原作です。ディズニーでは怪獣が出てきますが、よりリアルでどきどきする物語でした。

今年はジュール・ヴェルヌ作品に首ったけです。旅先で読むにはちょうどいい。

熱帯 – 森見登美彦

直木賞にもノミネートされた森見登美彦さんの『熱帯』。分厚い本ですが、こちらも一気に読んでしまいました。さらに、この本で重要な位置づけとなる『千一夜物語』も読みはじめたところです。シェヘラザードまじすごい。

物語は謎の本『熱帯』の魔力に惹かれた人物を中心にどんどん進んでいきます。最後には、読んでいる自分自身も、知らず知らずのうちにその魔力に飲み込まれてしまうよう。

森見さんの本は昔から読んでいますが、今回はこれまでともちょっと(いい意味で)違い、進化を感じました。

彼方の友へ – 伊吹有喜

最近一気読みしてしまったのがこの『彼方の友へ』。直木賞にもノミネートされた本です。

物語は少女向け文芸誌の編集室なのですが、その時代の背景でじわじわと大きくなっていく戦争の影が、「文芸」というきらびやかな環境の露出を高めていくのが印象的でした。

最後はお約束感がありましたが、それでもやっぱり泣いてしまった。夢と現実の間で強く生きていく主人公には、いつの時代も心を動かされるものです。

おわりに

ふと思い返してみると、この企画もすでに5年目となりました。

嫌われる勇気』『君たちはどう生きるか』『SHOE DOG』など、何かと話題になる前の本を読んでこれたので、よさそうは本はどんどん読んでいこうと思います。

今年読み終えるかわかりませんが、ジュール・ヴェルヌの『神秘の島』もどきどきが止まりません。おそらくこちらも星5つになると感じています。もう冒険活劇最高。

今年もいい本に出会いましたが、旅が多かった影響もあって、ジュール・ヴェルヌ作品に夢中になった一年となりました。

みなさま、よいお年を。