インド北部の大都市「デリー」にある3つの世界遺産を巡ってきた

インド出張の最終日時に時間があったので、ホテルで車をチャーターして世界遺産を巡ってきました。今思えば、はじめての海外一人観光です。ちょっとの間だけ、あこがれのバックパッカーになれた感じ。

デリーへ

僕が滞在していたホテルは、ニューデリー南部の新興都市グルガオンにある「Trident, Gurgaon」。空戸から近いグルガオンは、少し前は荒野だった地域。しかし、ホテルの周囲は開発がどんどん進んでいて、日中は工事と渋滞の音がまざりあう騒がしい場所です。

今回は予約する時間がなかったので、当日朝食を食べながらまわりたい場所を探しました。どうやらデリーには3つの世界遺産があり、車で順番に巡れる位置にあるため、「デリー半日市内観光 ~世界遺産巡り~」のような半日ツアーがあるそう(所要時間4時間ぐらい)。ただ、有名なタージマハルは往復8時間かかるので、車を借りて一気にめぐることにしました。

値段は車のチャーターで15,000円ぐらいでした。ツアー会社の料金を見ると5~6000円だったので、倍以上の値段です。しかし、ホテルが高級ホテルだったので(ありがとう会社)、車は冷たいミネラルウォーターとWifi完備のベンツになり、同乗者もいないので、本当にきままに回れるのは楽でした。運転手も気さくなおじさんで、有名所を通りながら説明してくれたので大満足です。

あとは、車を見失わないよう、忘れずにナンバーと運転手の写真は撮っておきます。料金がかかる駐車場に入らず待っている場合もあるので、電話も使える状態にあったほうがいいなーと感じました。

なお、かつて首都と教えられたニューデリーですが、現在はデリーが首都となっているようです(参考:インドの首都はニューデリー? デリー?)。どうりで、インドの方は「デリー」「オールドデリー」といいわけているわけですよ。

クトゥブ・ミナール(Qutb Minar)

クトゥブ・ミナールは、巨大な石の尖塔(ミナールはミナレットをさす)です。その周囲には遺跡が多く残っており、1993年に世界遺産に登録されました。

それにしても空気が悪く、のどがヒリヒリします。運転手さんはデリーに住んでいて、地元がルールキー方面だそうで(実は前日ルールキーに行っていた)、「デリーだと水もそのまま飲めないし、公害がひどい」と言っていました。

 

この巨大な尖塔は、作り始めた人の代では完成せず、その人の死後にやっと完成しています。それぐらい大きい! 修復も重ねて実施されているので、周囲の遺跡と比べるときれいな状態で残っています。

 

尖塔の着たには等の残骸も残っています。こちらは、ある王朝の人間が2倍の高さを目指して建てようとしましたが、途中で暗殺されてしまい完成できず。先程の美しい塔とは正反対の廃墟感はなかなか考えさせられるものがあります。

 

石の遺跡は当時の雰囲気を多く伝えてくれます。門やその周囲のデザインはとても美しい。

 

彫刻もとてもきれいです。

 

中庭にある鉄柱はサンスクリット語の文字が刻まれており、鉄の純度は100%近く、「錆びない鉄柱」として有名です。

 

石柱の回廊は少し狭いですが下を歩いて回れます。

 

当時はここをたくさんの人が行き来したのでしょうか。

 

フマユーン廟 (Humayun’s Tomb)

タージマハルのモデルになったとも言われるフマユーン廟。1993年に世界遺産に登録されました。中には石でできた仮の棺が並べられていて静寂がありました。遺体はその下に安置されているそうです。

 

この建物は門からみるととてもきれいです。この単純な円ではなく、さきっちょがちょっと尖った円形ゲートの形はいたるところで使われています。

 

デザインがおしゃれですね。建築は素人ですが、左右対称美を感じます。ここは地元の人の憩いの場にもなっているみたいで、広場でくつろいでる人たちがいたり、カップルがベンチでイチャイチャしたりしていました。平和サイコー。

 

どの角度からみてもきれい。でも、空気が淀んでいるので、すごく晴れた日に見てみたいものだ。

 

ラール・キラー(Lal Qila)

レッド・フォート(Red Fort)という別名の通り、ムガール帝国の勢力を感じる巨大な城がラール・キラーです。中に入るには、駐車場から塀沿いを歩いていきます。

 

正面広場にはすごい人がいました。それもそのはず、この写真の逆側はデリーの浅草ともいわれるチャンドニー・チョウク(Chandni Chowk)。当時は人通りと喧騒がすごくてなんだろうなーと思ってましたが、有名な通りだったのですね。ちょっと歩いてみたかったな。

 

外壁をくぐると重厚な門が。それをくぐると・・・

 

なんとお土産屋さんが並んでる! 浅草っぽいですね。

 

遠くに見えるのが謁見の間ディーワーネ・アーム。公開処刑もここでされていたそうです。

 

中央には王座があります。

 

ディーワーネ・カースは謁見の間。装飾が細かく美しい。

おわりに

空港からデリーまで40分ぐらい。エアポートメトロだと20分で都心に行けます。この差はおそらく渋滞ですね。飛行機の時間を気にするなら、ホテルから車で色々回って、近くの駅でおろしてもらうのが良さそう。

3つの世界遺産は、それぞれが近距離にあるので、合計3~4時間でゆっくり回れました。途中、大使館通りやインド門など、いろんな見どころが並んでいるので、教えてもらいながら空港へ向かうのも悪くはありません。

今回は世界遺産をめぐりましたが、やっぱり次は下町「オールドデリー」に行ってみたい。遠くからでも目に見える喧騒はすごかった。