ワーク・シフト
『ワーク・シフト』は、今後の働き方をデータを元に解析した良書です。前に「今年読んだ113冊の中からIT企業の管理職が選んだ10冊」という記事を書いたんですが、そこに入れ忘れてまして、ビジネス書・自己啓発書だと『嫌われる勇気』に継ぐオススメの本です。
分厚い本なので簡単にまとめると、
- 深い技術を、繰り返し身につけないとだめな時代になるよ
- 少数の超巨大企業と多数のミニ起業家の時代になるよ
- 人と人とのつながりが重要になるよ
という、意識高い系が主流になるというなんとも疲れそうな未来の話です。
ここで登場するミニ起業家というのが、いわゆるフリーランスの働き方に似ていて、いろんなプロジェクトに参加しながら働くスタイルが、この『ワーク・シフト』では描かれています。こうなると、どれが本業でどれが副業なのかではなく、全部本業に見えます。
副業の壁
『リーン開発の現場』の翻訳をした時に、翻訳料とか印税が入ってくるので副業の申請を出したことがあります。そのときは面倒だなぁと思いましたが、多分、企業は本業をおろそかにする社員を恐れるがゆえに、副業に対して寛容じゃないんだと思います。
もしそうだとすると、信頼関係がないわけです。
昔、仕事で勉強会にばっかり参加してた人がいて、特に何かを残すことなくいつのまにかいなくなりましたが、こういうのを見てると、気持ちはわからないでもない。
また、最近は「ちょっと友達の仕事をこっそり手伝っていて、いい感じだったからそのまま転職した」とかざらに聞きます。これも、どこかに所属しながら(給料をもらいながら)転職活動をしたい。しかも確実に転職したい。会社より個人の願望が強いケース。
しかし、これは契約違反かもしれない。人として不誠実なのかもしれない。
未来の副業
ワーク・シフトの世界がやってくるとはかぎりませんが、個人のつながりがプロジェクトをつむいでいく未来は想像しやすいです。そうなってくると、何が主で、何が副なのかわからなくなると思います。
現実を見ると、副業は企業にとってメリットも少ないイメージです。ただ、裏を返せば、「給料を上げ続けるの無理だから、副業おけー」みたいな判断をするのもありかも。
成長としての副業みたいなのがあり、企業もそれを有効活用する。お互いにフェアである。そんな未来になってほしいものだ。