『なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか』がグローバル時代すぎてスゲー

なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか

何気に手にとったこの『なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか』ですが、海外での戦い方だけでなく、チームビルディング、マネジメント、スタートアップといった要素が詰まった良書でした。

海外に迷いなく飛びだすシェフ

本書は世界で活躍するシェフのインタビューが中心にまとめられています。ところどころで著者が自身のエピソードを披露してくるのはご愛嬌。とにかくシェフの話が面白いんです。きっと実際の経験が言葉の重みを増してるのだと思います。

彼らは必要に迫られて海外へと向かいます。純粋に行ってみたいから。フランス料理に魅了されたから。星のつくレストランで働いてみたいから。さまざまな思惑はあれど、彼らは迷いなく海外へと飛び出していくのです。

そして、自身で道を切り開いていきます。

言葉ができなくてもあきらめない

ほとんどのシェフが言語を勉強することなく海外で働き始めています。よって、皆さん口を揃えて「もっと勉強しておけばよかった」と言います。

料理で使う言葉は限らられているとはいえ、厨房でのコミュニケーションは必須。各自、語学学校に通ったりして言語習得に力を入れます。

僕自身も英語学習には苦労しましたが、テストの点数が上がっても会話力はあがるはずもなく、試しに文法よりも単語を必死に覚えて、片言でも話す機会を増やしたら、自然と会話力がついた気がします。

本書の場合、極端な例かもしれませんが、言語って学ぶだけではあまり価値はなくて、それを使える場所で使うことによって価値がでてくるんだろうなぁと感じました。

すべての行動に意味を持たせる

これプログラムに似ているなぁと思った一言です。必要のないものは書かないもの。レビューで「どうしてこうしたの?」と聞かれて「なんとなく」と答えるしかなかったときの恥ずかしさを思い出します。

行動基準としての考え方。自分を律し、信じるビジョンへと向かって高みを目指すシェフたちの情熱に、心動かされます。

おわりに

その他にも「あえて厳しい環境に身を置く」とか、料理の世界だけでなく、プロフェッショナルとして生きていくための金言がこの本には詰まっています。

行動し、仕事を選び、自分の強みを磨き、戦っていく。その姿はとてもまぶしく、とても誇らしいものでした。