なぜ社内システムは必ず使いにくいのか?

86639298@N02 via flickr
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社内の承認システム、タイムカードみたいな時間を管理するシステム、運用とかのツール・・・。どこの社内にもいろんなツールが転がっている。しかしながら、まぁ使いにくい。「よく考えているなぁ」ってのはまれだ。では、なんでこうなってしまうのだろうか?

意見を聞いたユーザが偏っている

よくあるのが「マネージャの意見を聞いて」とか。こう言っちゃうと水戸黄門の印籠みたいに、平社員は文句が言いにくくなるのもポイント。錦の御旗が間違っているほどつらいものはない。

それぞれの使い方があるツールの場合、いろんな視点を考慮できないと使いにくくなる。大多数のユーザがいる場合でも、適度に分散して意見を聞き、要求としてまとめるのが大切だろう。もちろん、導入や開発する側の都合より優先すべきだ。

システムやツールを使わない人が作っている

自社システムを外部に作ってもらうとかするとよく起きる現象。よくよく考えると「まぁ、そうなるよね」としかいいようがない。

「もっとこうしたら便利なのに」といった意見を初期開発でうまく取り入れるのが重要。それができなくても、リリース後に改善できる体制があればいい。社内システムだったらまだやり直しやすいはず。

目標設定や成果の確認が雑

開発側が「作る」ことを目的にしてしまうと、不便さに気がつかなかったりするので、システムやツールを作って「どうなってほしいか」を決めるなどの対策が必要。

たとえば、具体的な目標(ユーザからのフィードバック点数が4.5以上とか、操作に関する問い合わせが月10剣担いとか)を設定し、定性的だけでなく定量的な計測を行う。そして、定期的なチェックポイントを設定し、確認していく。

システムやツールを使い続けてしまう

時間とともに変化していくのが世の中なので、新技術を取り入れてさらにコスト削減したり、仕組みを変えることで時間短縮したり、継続的な改善がやっぱり大切。

一回作ってしまうと安心してしまうのが人情。また、コストを掛けた分、元を取りたくなるのも人情。しかしながら、「使い続ける」のが目的になると、システムやツールの存在意義がおかしくなる。

商用=安心みたいな感覚で導入しちゃう

中には便利な商用ツールもあるんだけど、売るのに必死なベンダーもあるので、サポート範囲やベンダーへの期待値は揃えておいたほうがいいと思う。

作りたかっただけ

自己満足。

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昔、社内ツールや社内システム開発の質問を受けたことがある。当時はRedmine・Jenkinsの導入や展開をしていたので、その経験から学んだことを知りたいとかなんとかだった気がする。

そこで上のような話をしたのだけれど、「じゃ、どうすればいいんだろう?」ってなったときに思いついたのは

  • すでにあるシステムやツールを使う。人気となっているツールを使い倒す側に回る
  • どうしても作りたいなら、システムやツールを世界に公開するぐらいの気持ちで作る。世界に評価してもらえるし、それぐらいの意気込みがないなら、作らなくても探せばあるんじゃない?

ぐらいだった。

「すでにあるものを使う」はアンテナを張っていろいろテスト導入していればできるはず。

「公開する気持ちで作る」はとてもハードルが高いと思うけど、社内ほげほげは自由度が高くて、作る側の勝手な都合で作られがちに感じるので、それぐらいのハードルが合ったほうが燃えるんじゃないかしら。

なんにせよ、使いにくい道具が悪いわけではない。