映画「ホテル・ルワンダ」

感想おまちしてます!

こんな話を本で読んだことがある。
ニューヨークにはブロンクス動物園には、類人猿舎に「鏡の間」というのがある。マウンテン・ゴリラとオランウータン舎の間に、鉄格子をはめた檻があり、そこに人間の上半身が写るくらいの大きさの鏡がかざられているからだ。その前を通るとその鏡に自分の姿が映り、その鏡の上にはこう書かれている。
「世界で最も危険な動物」
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1994年。アフリカの他民族地域ルワンダ。過去戦争により支配権を与えられたベルギーは、ツチ族優性でこの地に秩序を作っていた。ベルギーはルワンダ人をフツ族、ツチ族、トゥワ族の3つに分類し、人種が記されたIDカードまで発行するが、国連の圧力で民主主義の国家に改革しなければならなくなる。
しかし、現状強い力をもっていたツチ族が反発。ベルギーはライバルのフツ族をあおり、ツチ族を追い出すことに成功するが、のちにツチ族はRPF(ルワンダ愛国戦線)を結成し、ルワンダへの進行が始まり、悲劇が幕を開けることになった。
1994年。3ヶ月ぐらいの間にフツ族の民兵などによって主にツチ族の人間100万人の無力な人々が殺された。


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ルワンダは四国の1.4倍ぐらいの大きさで人口は約800万人。8分の1の人が殺され、国の人口はまだ当時のレベルにはなっていないらしい。東京都で一番人口が多い(2004年度)世田谷区の人口が84万人ぐらい。それ以上の人間が殺されたということになる。
銃を持っていない民兵はすれ違う人間すべてをナタでなぎ倒し、通りには無残な死体がいたるところに転がっていた。世界でまれにみる単一民族の日本人からしてみれば、民族間の争いについてあまりぱっと浮かばない点がある。僕は争う彼らの考えがよく理解できなかった。
彼らは民族というものに強い誇りを持ち、時に異常な執着を表す。自分の民族がすべて。そういう考えしかなくなり、人を平気で殺す。この闘争本能に対して僕はとても畏怖する。そこには「狂気」という言葉しか感じられない。
それだけではない。映画の中で、虐殺の映像を入手して世界にそれを流すことになり、主人公のポールが「これで世界の人々が助けてくれる」と安堵するが、映像を撮った海外のメディアクルーがこんな言葉をはなった。

世界のの人々はあの映像を見て「怖いね」と言うだけでディナーを続ける。

これも狂気といえるのではないだろうか。
対岸の火事とはいえ、アメリカ、英国にとってはルワンダに政治的価値がない。石油があるわけでもないし、お金をむしりとることもできない国と判断されてしまうからだ。アメリカにとっては現在のアフガニスタン問題。過去のソマリアでおこったブラックホークダウンと同じく、「手を出していいことがない」という部分を否めない。
その絶望の中でミル・コリンホテルの支配人ポール・ルセサバギナは希望を見つけ出そうとする。愛するものを守り抜くという希望を。
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昔聞いた話だが、彼らアフリカの人たちは白人たちに支配され、暗黒の時代を暮らしてきた。そのときの白人指導者の言葉遣いが「○○しろ」とかいう命令形だったので、現在、アフリカで使われる英語は「MUST」などの言葉が多く使われるらしい。空港の税関員もとても高圧的だという。
映画の中でそういうセリフが聞こえてくると、とても脱力感をおぼえた。彼らが感じる怒りを、僕は心から理解することはできないだろう。決してできないのだろう。でも、主人公ポールが感じたような苦しみや悲しみなら少しは理解できるかもしれない。そういうことを考えてしまう映画だった。
地球上に平和なんてものは訪れることはないと思う。インデペンデンス・デイみたいに宇宙人がせめてこないと人間は気がつかないと思うからだ。ただ、これだけはやめてほしい。
自分の怒りや苦しみを、罪のない子供たちに背負わすのはやめろ。
未来を選ぶのは大人たちじゃない。選択するのは子供たちなのだ。
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【参考(順不同)】
『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会
ホテル・ルワンダ 公式サイト
ブラックホークダウンについて
Wikipedia ソマリア内戦
ルワンダについて
都道府県市町村ランキングデータ

コメント

  1. ホテルルワンダ・・・・・評価額1800円

    この映画、本来日本公開の予定が無かったのだが、ネット上の署名活動で公開が決まったのだそうだ。
    運動を展開した「『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会」、そして…

  2. 『ホテル・ルワンダ』 テリー・ジョージ監督

    渋谷の映画館「シアターN」で、前回上映が終わってお客さんがゾロゾロ出てきたなー、と思ってふと見上げると、40歳ぐらいのおじさんがモロ泣きしていました。けっ…

  3. 映画: HOTEL RWANDA

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    「感動もの」や「涙を誘う映画」と一言で終わらせられない。あまりにも内容が切実であり、この現実が日本を含めた西側諸国に正確に伝えられず…