1on1がうまくいかない現場にありがちなこと

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1on1が難しいという話をよく聞きます。ちゃんとやってるつもりだけど、なんだかうまくいかないなぁという現場でよくあるのが以下のような問題です。さて、どうやって解決していけばよいのやら。

1on1の目的がない

いわゆる、なんとなく1on1している現場です。1on1をはじめるのであれば、なんのためにやるのかを明確にしなければ、やる側・やられる側のモチベーションにつながりません。

たとえば、1on1の目的が「育成」であるなら、何をどう育成したいかまで明らかにしなければなりません。育成と一言で言っても、たとえば、新人の育成と中途の育成はぜんぜん方法が違います。

仮に1on1の目的が「メンバーが自律的に成長していける状態を目指す」だったとします。

よく「1on1で進捗の話をしていますが良いですか?」と質問されるのですが、一般的な1on1として考えると、相手が話したいことが進捗であればそれでいいかもしれません。しかし、上記のような1on1の目的があるなら、それからはずれてしまうかもしれません。進捗相談したら自律性が高まるのでしょうか? 自分には自信がありません。

1on1を導入する企業は多いですが、導入に動機づけできていない企業も多いようです。「流行ってるからやってみよう!」はナイスチャレンジですが、動機づけがない状態でやっていくと、だんだんやる意味が薄れたり、ずれてしまうのです。

1on1のやりかたを間違っている

1on1には「これをやれば1on1」というものが多分まだないので、人によって考え方ややりかたにばらつきがある手法ではないかと思います。僕の知りうる限りですが、各人が語る1on1の共通項には以下のようなものがあります。

  • 育成の方法である
  • 相手のための時間である
  • 目標を決めて話す

よって、育成として時間を使っていなかったり、相手の話を聞く気がなかったり(自分の話ばかりしたり)、目標を定めずにやっていたら、やりかたが間違っているのでしょう。

また、相手によって関わり方が変わってくる1on1では、1on1する側の関わり方も変えていく必要があります。

手法と1on1の関係性例

たとえば、相手が解決策をすぐに知りたい状態であれば、コンサルティングがよいかもしれません。具体的な方法を伝えることで、相手は喜ぶでしょう。ただ、この方法は、相手に答えを提供するため、相手は答えを考える力が付きません。

相手が学生や新人であれば、ティーチングがよいかもしれません。覚えてほしい手順や仕事を説明してやってみせ、やってもらい・・・とすすめ、相手がくりかえし作業すれば、徐々に作業になれてくるはずです。この方法は、相手ができるようになるまで時間がかかりますが、それは投資の時間といえます。投資がおわればずっとリターンを得られます。

よく、魚を与えるのではなく、釣り方を教える。という例があります。魚を与えるのがコンサルティングなら、釣り方を教えるのがティーチングです。

相手にある程度のスキルや経験があるなら、コーチングがよいかもしれません。ある程度経験を積んだ人やリーダー候補、リーダー、管理職、マネージャーになっていくと、自分で課題を見つけ、ゴール設定を行い、達成手段を考え、達成が求められます。つまり、育成自体も自分で考えていかなければならないのです。コーチングは、そういったケースで活用できる手法です。相手が答えを見つけられると信じ、相手が自分の足で進められるようにともに歩いていくのがコーチです。

そして、これだけでなく、1on1をマネジメント視点で導入するケースがほとんどなので、マネジメントスキルも求められるかもしれません。

わたしは1on1の専門家ではありませんが、1on1をするためにはさまざまな手法が必要になるのがわかると思います。

ごちゃまぜで、様々なスキルが求められるため、1on1はすごく難しい方法です。簡単そうに見えて実は難しいスクラムに似た感じがします。

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