
これは、ある友人が焼き肉を食べているときに教えてくれた話だ。あるところに新米マネージャがいた。彼は悩みながらもがんばっていたが、あるときその心が折れてしまったという。
新米マネージャの心が折れた理由
新米マネージャは、メンバーのことをよく考える人間だった。メンバーからも慕われており、悩みながらもマネージャとしての責務を果たそうと頑張っていた。
あるとき、メンバーのひとりから、「最近あることに悩んでいる」という話をされたという。その悩みは「会社の方針に疑問を持っている」というもので、新米マネージャはどう答えようか考えた。
しかし、答えが見つからなかった。なぜなら、その悩みは自分も同じように感じていたからだ。
神々しく位の高い人たちからは、そういう不満が起きないように、メンバーにきちんとした説明をするなり、マネージャとしての対応を求められる。
でも、自分でも納得できてないことを人に伝えるのはとても難しい。
新米マネージャは、答えられない自分に気がついて、自分はマネージャとしてふさわしくないと思い、マネージャを辞めてしまったらしい。
僕はその話を聞いて、その新米マネージャの気持ちがとても良くわかった気がしたんだけど、もし、自分がそばにいたなら、どういった言葉をかけてあげればいいのだろう? もし、自分が同じ立場だったらどうしただろう? と考えた。
「それは、いい会社員じゃないかもしれないけど、いい人間なんじゃないかな」
振り絞るようにして出ててきたのはこんな言葉しかなかった。
でも、僕もいい会社員なんかよりも、いい人間になりたいし、いい人間と働きたいなと思った。
そして、その辞めちゃった新米マネージャとは、いい友達になれそうな気がする。