最近、二人の人から別の話を聞いた。ひとりは「エンジニアとして続けていきたいけどマネージャなんてやりたくない」。もうひとりは「エンジニアとしてやっていけているけど、マネージャに進みたい」。こういうときに思うのは、「プログラムを書けるとか手を動かせるなら、動かせる限り続けたほうがいい」ってこと。
マネージャは誰でもできるわけではない
最近、僕の周りではマネージャ論が盛んで、「マネージャとは?」とかが話題になることが多い。でも、いつも思うのは、「マネージャとは」で語りだす人はハズレだってこと。なぜなら、僕はマネージャには恵まれたと思っているけど、「すごいな」って人たちは「マネージャとは」なんて語ったりしなかったから。
話を戻す。
なぜ「プログラムを書けるとか手を動かせるなら、動かせる限り続けたほうがいい」と思ったのはというと、「そのほうが将来食べていけるから」だ。
もちろん集団で働く限り、マネージャは必要だと思う。必要というより「そのほうが間違いなく効率が良い」し、僕を含む大抵の人間は凡人だから、人数が増えると「成長と育成を相談できる人」が必要になってくる。
ただ、個人的には世の中の80%以上のマネージャは、六本木界隈風に言うとすれば「クソだ」と思う(ただし、ソフトウェア開発をしている会社に限る)。
なぜなら、ある程度の集団で少しスキル的に飛び抜けた人がリーダーになり、そこからマネージャとなり・・・という流れがひどいマネージャを作ってしまうのだと思っているからだ。多分、こういうのは普通の会社だったらいいけど、エンジニアが大半を占めるWebの会社(最近だとモバイルの会社かも)だとマッチしない。
なぜなら、エンジニアを極めていった先に、マネージャがあるのはおかしいからだ。そこにはスーパーエンジニア的な何かがあってしかるべきだろう。
「ちょっとできちゃったエンジニア」が専門でもないマネジメントを求められるから、「世の中の80%以上のマネージャはクソ(ただし、ソフトウェア開発をしている会社に限る)」にたどりつくのではないかと仮説を立てている。
ではどうすればいいか? 「真のプロフェッショナルなマネージャ」を雇えばいいのだ。
最近、仲のいいマネージャ同期とも話したのだが、たとえば、超優秀なデータサイエンティストのひとりに、勤怠入力ミスを指摘させたり、有給の承認をさせたいか? (あくまで例え。それぞれは大切な仕事でもある)
否! 僕は断じてこれを無駄だと思っている。
だって、それだけ優秀ならデータ分析をさせたほうが、間違いなく会社のためになる。デザイナーであればデザインを考えてもらうほうが絶対いい。
だから、プロのマネージャを雇うのだ。プロのマネージャは、時間調整がとてもうまく、進捗管理やプロマネもできて、人材の育成と教育もカバーできる。エースと呼ばれる人材だけでなく、手を動すべき人が仕事に集中できる環境を作り出せる人だ。すばらしい!
エンジニアからマネージャへのキャリアパスは旧世代の遺産だ。そして、別分野へのキャリアチェンジでもあるので、それを30歳超えたエンジニアとかに、これらを学ばせる時間があるのであれば、新卒から育成したほうがぜったい効率がいいだろう。
手を動かせる人が将来食べていける
僕は最近転職して、あらためてコードを書くようになった。それはそれで楽しいのだけれど、やっぱりずっと続けてきた人には勝てない。勝つためには時間がたくさん必要だろう。
それに、ソフトウェアでもハードウェアでも「創る」という行為は、どれだけ技術が進化してもならないだろう。だから、そこに直接関われる人。コードを書ける人、デザインを作れる人、サービスを考えられる人・・・とかは、自分で成長を続けていくかぎり強い職種だ。
だから「そのほうが将来食べていける」のだと思う。
まぁ、残念ながら、日本でもアメリカでも高収入はプロジェクトマネージャだし、プログラマで稼げる人はごく一部だろう。だから、求められるマネージャへと進むのもわかる。僕もマネージャになってしまった。
だからこそ、「どうやったらマネージャとして生き残れるのか」をもっと考えないといけないと感じている。多分、なってしまったら時間はかかるけどプロになるしか生きる道はない。