ふと富士山の頂上にタッチしたくなったので、日帰りで富士山に登ってきました。こうやって思い立って山にのぼるのは御巣鷹山以来だと思います。結果的に高山病もなく無事に登り切ることができました。今日はその思い出として、富士登山や登山グッズの記録と、登山中に妄想したあれやこれやを記録として残しておこうと思います。
水ヶ塚駐車場で仮眠
夏場はマイカー規制があるので、富士山の麓にある水ヶ塚公園(みずがづかこうえん)へと向かいます。途中、足柄で休憩しましたが2時間ぐらいで到着できる距離です。夜22:30ごろに横浜でレンタカーを借りて深夜1時頃には到着しました。
ここからは富士宮口までシャトルバスがでています。シャトルバスのチケット売り場は5:30にオープンとのことなので、その時間まで仮眠を取ります。しかし、車が来て止まるたびに「うわー、さみー」という若者たちの一連のやりとりや、ドアの開閉音が定期的に聞こえてくるので、耳栓をもっていけばよかったと思いました。あと、少し寒いので掛け布団もあったほうがよかったです。
シャトルバスは6:00が始発で、富士宮口まで30〜40分ぐらいで到着します。そうすると5合目でストレッチしながら高度慣れすると出発が7:00〜8:00ぐらいになってしまうので、日の出とともに登るならタクシーで行くしかなさそうです。始発5:00ぐらいだといいのになぁ。
シャトルバスには、始発で2〜3台が満席になるぐらいの人数が乗り込んでいました。ピーク時はもうすこし混むのでしょうね。ここからは富士山スカイラインを通って五合目まで登っていきます。くねくねした道なので酔い止めをもってくればよかったです。
五合目
バスは30分かからず富士宮口五合目に到着しました。ここで軽くストレッチをしてすぐに六合目に向かいました。六合目までは20分で高低差も90mしかないので、ゆっくり深呼吸しながら体を動かし、高度に慣れようとしてみました。登山開始時間はAM6:55です。
六合目
AM7:09に6合目到着。通常20分のところ14分ぐらいだったので思った以上に早く歩いているみたいです。
ふと若い女性の登山客が多いなぁと思いました。山ガールブームってやっぱりあるんですかね。帰ってから「かわいい子はいたか」と嫁に問われましたが、「帽子にサングラスつけてるから、おっぱいで判断するしかないね」と本音を言ってしまいビンタされました。
新七合目
AM7:44に新七合目到着。六合目から新七合目までの道のりは富士宮口でもっとも長い60分となります。そこを35分で到着。ちょっと早いのですが、これ以上ペースを遅くすると逆にしんどかったので、自分の体力だとこれぐらいのペースがちょうど良かったみたいです。
登山中はすれ違う人に「こんにちは」とか声をかけるのが流行ってますが、外国人の登山者に「Hello」って声かけると「コンニチハ」って返してくれるのが不思議な感じ。
元祖七合目
AM8:21に元祖七合目到着。新七合目から元祖七合目までのルートは予想50分。僕のペースだと37分でした。富士宮口ルートだと、休憩なしで4時間40分(280分)ぐらいなので、このあたりが時間的に半分ぐらいの場所になります。
この「新七合目」とか「元祖七合目」とか命名規則が最悪です。インクリメンタルするならちゃんと+1しろよと。そもそも「合」ってなんやねんと。最大値は10であってるのかと。富士宮口だと、5>6>新7>元祖7>8>9>9.5という感じなので、全体としてどのへんかイメージしにくかったです。名前重要。
八合目
AM9:02に八合目到着。予想40分のルートで41分かかってますね。このあたりからだんだんしんどくなってきたのだと思います(ただ、休憩時間を覚えてないので正確な登山時間ではありませんが)。
九合目
AM9:42に九合目到着。予想30分を40分かかってます。歩くペースが落ちたり、休憩時間を長く取るようになってきたということでしょう。でも、心身ともに元気な感じです。まだ油断は禁物と思ってましたが、高山病の心配はなさそうに思いました。
このあたりから体も心もきつくなってきて、「登山道を舗装してほしい」「九合目まで車で行けるようになってほしい」「頂上からロープウェーで帰りたい」といったムダな願望が妄想となって溢れだしてきました。
九合五勺
AM10:13に九合五勺(9.5合目)に到着。予想30分のところ31分でした。頂上が下からでも見えてきたのでテンションがあがったのでしょう。
富士宮ルートのいいところは、次のステーションが見えるところですね。見えるので「あと半分か」みたいな心構えができるのでとても登りやすいと思います。以前登った吉田口は上も下もわかりにくて「あと何ターンで終わりなんやろう・・・」と心が折れそうになった記憶があります。
富士山頂
AM10:46に山頂に到着です。予想30分を33分とまずまずのペースでした。
九合五勺のラスト200mは信じられないぐらい厳しい岩場でした。足が上がらなくなってきて一段ごとに息をついてしまいます。僕にとってはおもわず「なぜ自分は生きているのか」考えだしてしまうぐらいの辛さでした。

ただ、富士山のもっとも高い地点は剣ヶ峰というところです。「ここで休憩したらあかん気がする!」と思ったので、神社にお参りしてすぐに向かいました。
剣ヶ峰
AM11:33に日本最高峰に到着。予想20分のところを47分かかってます。ここまでの道のりはやわらかい砂山を登る感じで、疲れている体に鞭打つ感じでした。
五合目からだと休憩込みで4時間38分(休憩なしでの予想4時間40分)なのでペース的にはかなり速いペースになりました。下山は休憩なしで2時間20分らしいですが、5合目まで休憩込みで3.5時間ぐらいかかりました。岩場が続くので関節が痛くなって(特に下り)すげーきつかった。
装備などのふりかえり
持ち物は、軍手、雨具、ダウン、スマフォ、スマフォ用バッテリー、サングラス、帽子、タオル、ゴミ袋、ウェットティッシュ、バンドエイド。20リットルサイズのリュックで十分でした。トレッキングステッキは前回使わなかったので持って行かなかったけど、あったほうが楽だったかもしれません(特に下り)。
服装は最初から最後まで長袖ヒートテックに長袖Tシャツと綿パンでした。(追記)トレッキングパンツを次は試そうと思っています。すこぶる動きやすいですね。買えば良かった。
https://daipresents.wordpress.com/2017/hiking-pants/
それでも汗がすごくて水分を多く摂るようにしました。途中まで暑すぎたので半袖にして歩いてましたが、砂埃がひどかったり、日差しが強すぎてヒリヒリしたので、サングラス、ネスノボ用ネックウォーマー、帽子と長袖Tシャツ Or ジャケットは必須だと感じました。
日帰りなのでコンパクトな装備が基本です。使わない可能性がある雨具であっても、必須の持ち物なのでコンパクトなものを選びました。あとは、寒いときでも日焼け対策でも、一枚あると便利なのが「パタゴニアのフーディニジャケット」です。
ちょっとお値段は高めですが、iPhone6と同じぐらい小さくなるので普段からカバンの中に入れています。防水性もあるので多少の雨ならこれで十分。寒いときの風よけにもなるので、ダイビングやジョギング時でも使えて、一年中大活躍してくれます。
食べ物は食べたものだけだと、カロリーメイト2本、速攻元気、アメ5個、水(登り1リットル、下りは買いながら1.5リットル)です。下りで水が足りなくなって高く付きました。でも、下りはつめたーい飲み物が欲しくなるんですよね。山小屋の水は高いけど冷たそうでつい買ってしまいます。渇きって怖い。
それ以外の装備は、Amazonで初心者向け登山グッズストアをのぞいてみて、便利そうなのを選べばよいかと。日帰りであれば上記で十分だと思います。
登山についての情報は富士宮口富士登山がとても役に立ちました。天気についてはてんきとくらす富士宮口の天気がわかりやすかったです。
かかったお金のふりかえり
レンタカーを借りてひとりで行ったので、複数人で行けばもっと安くなると思います。
- レンタカー(24h)= 8000円
- ガソリン代=2300円
- 高速(往復)= 4000円
- 駐車場代=1000円
- シャトルバス(往復)=1500円
合計16,800円。プラス食費、飲料費です。一人で行くよりツアーのほうが安いです。ただ、過去にツアーで行きましたが、自分のペースで行けないのがストレスでだったので、夜歩く必要があるご来光狙いならツアー。それ以外だと個人で行くと思います。
レンタカー予約ははじめて楽天トラベルを使いましたが、各店舗の値段比較ができていいですね。帰りに立ち寄る温泉を調べておけばよかった。
登山のふりかえり
「そういえば、御来光にモチベーションないよな」ということに気がついたので、日帰り登山にしました。明るい時間に登るので一人でも安心して登れますし、夕方にはおうちに帰れます。「高山病になったらすぐかーえろ」と思っていましたが、下山時に少し頭が痛くなったぐらいで済みました。
富士宮口からの登山については、山頂までの距離が最短なのと、最高峰剣ヶ峰が近いのがステキです。登山道と下山道が同じなので譲り合いが必要ですが、ちょうどいい休憩になるので気になりませんでした。
過去に吉田口八合目までしか行ったことがないので、富士宮口の難易度については比較が難しいですが、吉田口よりきつかった気がします。吉田口は8合目ぐらいまで友人と話しながら登った気がしますが、富士宮口は道が狭いのでそれは難しく思います。さらに、富士宮口の九合目から頂上までは、急勾配の岩場です。とくに、九合五勺からの厳しい崖は、登山者の足を確実に止めます。
今回の登山は思いつきが発端でしたが、最近力を入れている体づくりの成果を体感することが出来ました。体力にはかなり自信がありましたが、自然はやっぱ強い。自分の限界を学びました。
正直な感想
「ジムやジョギングが好きだから、登山も好きになるかな」とか「次はマナスルかな」とか想像していましたが、登っている最中に「そもそもなぜ登山なのか」という根本をゆるがす問いかけにぶつかり、自問自答を繰り返した結果、「僕のスタンドは『怠惰』だから、登山むいてないわー」という本質に気がつきました。
よって、富士登山は自分の限界を感じるにはちょうどいい場所だけど、もう二度と登るもんかというのが正直な感想です。あー、疲れた。
でも自分と向きあう感じが面白かった。
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PS・・・とかいいながら、3年後、須走口からも登りました。
[…] もう富士宮口から日帰り富士登山なんて言わないよ絶対 | 世界 … 今日はその思い出として、富士登山の,ふと富士山の頂上にタッチしたくなったので、日帰りで富士山に登ってきまし […]
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