
XP祭り2011に行ってきました。今年はやっとむさんの「知識共有ゲーム」とLTだけ参加しました。 昔、同僚がやっとむさんのカンバンゲームを体験し、聞いてみるとすごく面白そうだったので、いつかやっとむさんのようなゲーム開発/実践者のセッションを聞いてみたいなぁと思っていました。また一つ大人になった気がします。
ゲームのはじめに
- 参加者(5〜6名)がそれぞれにペルソナを持つ
- ペルソナは、そのペルソナの知識を2〜3つもっている
- プロジェクトの用紙には必要となる知識とその数が書かれている
- 白色のコインを使って、知識を増やすことができる
というルールが説明され、プロジェクトにとりかかります。
プロジェクトは、フェーズにわかれており、それぞれには
- 技術知識が3つ
- 業務知識が3つ
- プロセス知識が4つ
といった必要な知識があり、持っている知識(コインで代替している)をプットして、全て埋まるとフェーズが終了します。持っている知識をうまくやりとしてクリアしていくゲームです。
このゲームには面白い要素があって、
- 新しくルールを追加できる(白コイン1枚はらってセミナー参加することにより緑コインが2つてに入る)
- フェーズが終わるごとに、チームの知識をひとつ手に入れることができる
これを活用することで、スムーズにプロジェクトをDoneさせていきます。
この1つめの要素には、チームに足りない知識を手に入れるために何をするか?を考えるメタファーがあるように感じます。なにもせず知識を得ることは難しいと思います。そこで、手に入れるために、「誰が何を払い、何をどう手に入れるか?」を考えることができます。ここで出てくるアイデアは、「セミナーに行くためにお金をはらう」とか「勉強会に参加する」「勉強会を開催する」といったいろいろなやり方があり、「知識を手に入れる」ためのアクションを改めて考えることができます。
2つめの要素には、プロジェクトで手に入れた知識を整理するメタファーでしょうか。手に入れる知識は選べるというルールでしたが、これはチームで伸ばしたい知識を決めるという行為に似ています。足りないところを埋めたり、伸ばしたいところを決めたり。
こういった活動を「知識活動」と考えると、企業の知識活動の重要性が見えてきます。ふりかえりで、@fkinoさんもおっしゃってましたが、「自分のチームの知識の見える化も難しく、プロジェクトで必要な知識も見えにくい」という問題があります。僕も考えてみたのですが、もしプロジェクトで必要な知識やそのレベルがわかったとしても、個人が持っている知識を組み合わせてチームを作り、プロジェクトに取り組む…という組織は、今までに見たことがありません。リソースマネジメントの難さしさも感じることができました。
このゲームは野中郁次郎先生の「知識経営のすすめ」を参考に作られたそうです(たしか)。企業活動の中の知識活動。これは、ソフトウェアに限らず、いろんな分野が取り組むべき課題のように感じます。