達人出版会の「How to Change the World」の著者であり、Agile Lean Europeの創設者でもあるJurgen Appelo氏のセッションに参加できる機会がありました。彼のセッションでは講演とワークショップがあり、そのワークショップである「Moving Motivators」がとても興味深かったので、内容を理解するためにブログを書いてみます。 ゲームは彼のブログで公開されており、ゲームで利用するカードもページからダウンロード可能です。このゲームでは、参加者のモチベーション(きっかけ、動機付け)の源泉を見える化し、どのようにそれらが変化していくのかを考えさせられることになります。
10の本質的なモチベーション
ゲームは「10の本質的なモチベーション」をベースに考えられています。これらはPDFとしてダウンロードできるのでダウンロードして印刷するだけでゲームをはじめることができます。ちなみに、セッションでは二人で一セット使っていました。それでは情熱源となる10のモチベーションを見てみましょう。
- CURIOSITY(好奇心を満たす)
- HONOR(名誉)
- ACCEPTANCE(周囲から受け入れられる)
- MASTERY(熟練度)
- POWER(影響力)
- FREEDOM(自由)
- RELATEDNESS(人とのつながり)
- ORDER(秩序)
- GOAL (成し遂げること)
- STATUS(地位)
変化を考えている人のまわりにうずまいているモチベーションたちです。
STEP1 あなたの情熱はなんだろうか?
まずはじめに、自分にとってどれが一番重要で、どれが一番重要ではないかを考え並べ替えます。右に行けば重要。左に行けばあんまりになるように並べましょう。 この結果は人によって様々なので、回りにいる人は「なぜそう並べたのか?」を色々聞きながら、ゲームをする人は「なぜそうするのかを話しながら」やると盛り上がります。
STEP2 変化による影響を考えてみよう
自分の仕事をベースに、その変化を考えてみましょう。アジャイル開発への取り組みや、新しいプロジェクトのことなど。あなたに関係する仕事(かつ、現在進行中や始まる予定のこと)を思い浮かべてください。 そして、その仕事による変化が、今のモチベーションにどう影響が出るのかを考えていきます。
例えば、仕事により「GOAL」についてポジティブな反応を期待できるなら、「GOAL」のカードを上に。逆にモチベーションが下がってしまうものがあればそのカードを下にずらします。 おそらく、組織的な変化の場合、異なる影響やモチベーションが見え隠れしてくるはずです。何かが成功すれば、何かを失っている可能性があるということでしょうか。
STEP3 モチベーションが反映される
ゲームを通して、組織的な変化によるモチベーションの影響を体感することができるはずです。そして、このゲームはチームマネジャーなどと行うことで、彼らのモチベーションの源泉を知る機会となるでしょう。ステータスばかり気にするマネージャであれば、この結果を机の後ろに貼り付けると面白いかもしれない。逆に、マネージャであるならばメンバーの動機づけを知る機会になりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 「世界を変える!」というのは簡単ですが、その結果どういう事が起きるのか?何が障害になるのか?チームの価値観はどうなるのか?と、様々なメタファーを備えたゲームのように思います。
みんなで幸せになることができれば最高なのですが、そうもいかない状況もあるでしょう。しかし、前もって「結果」を推測しておくことにより、迅速な対応やリスクヘッジができるかもしれません。あるいはチームメンバー・マネージャへの理解がすすみ、団結して乗り越えることができるかもしれません。
もし、みなさんが変化に取り組んでいるのであれば、このゲームを楽しんでみてはどうでしょうか?そしてちょっと考えてみてください。
「世界を変える覚悟はありますか?」