
アジャイルコーチとしてたくさんのチームを見ていると、「こういうケースだとこうだよなぁ」みたいなものを知ることになる。これがいわゆる「経験」とか「引き出し」なのかもしれないが、多くのチームでやっていて自分は反対なプラクティスが「司会の持ち回り」だ。
司会の持ち回りをなぜダメだと思うか?
現場では大体以下のような流れになり・・・
- スクラムマスターがスクラムイベントの進行をチームに伝授する
- チームが慣れてきたので「持ち回りで司会をまわそう」となる
- やることを間違えないように、具体的な手順を残そうとしはじめる
結果的にこうなりがち。
- やるべきことをこなせてはいるが、いまいちうまくやれているかわからない。結果的にスクラムイベントが形骸化する
チーム自身でチーム運営をがんばるのはとてもいいことだ。チームがどういうふうに運営されているかを理解するために「持ち回り」でファシリテーションをやるのはいいアイデアかもしれない。
ただ、ファシリテーションという特殊スキルを、全員でできるようになる必要はない。むしろ、得意な人がやったほうが、いい時間を過ごせるのがファシリテーションの力だと言える。
たいていのチームに「ファシリテーションをきちんと学んだり、トレーニングを受けたことはあるか?」と聞いて手を上げる人は少ない。つまり、ファシリテーションそのものからトレーニングしなければならない。
そのトレーニングなくして、いきなりファシリテーションを試すのは、なかなか遠回りな選択だと思う。日本ファシリテーション協会の東京支部のページのような団体が定期的に講座を開いていたりもするので、まずは全員で受けてみたらいいと思う。
ではどうすればいいか?
仕事において、すべての出来事には意味があるはず。だから、朝礼の冒頭で「この朝礼は、情報を出し合ってみんなの情報をリフレッシュする場で、その情報を使って再計画する場です」といった説明を定期的に行う必要がある。新しいメンバーが増えたときなどがタイミングとして最適だ。
「なんかこなしているな?」と感じたら、本来の目的を話す。感じられるようにチームメンバーで神経を研ぎ澄ます。
スクラムイベントをチームで噛み締めながら進められるようになれば、スクラムに限らずどんなプロセスでもきっとうまくいく。