六番目の小夜子 – 恩田陸

六番目の小夜子
六番目の小夜子

こんなゲームをご存知であろうか?

小夜子は3年に一度現れる。

小夜子が現れると4月の始業式、教室に赤い花束が飾られる。

小夜子は1年間小夜子として過ごし、次の小夜子にメッセージを渡す。

そして、小夜子は自分が小夜子であることを誰にも知られてはいけない。


「サヨコ」という学校の隠れたゲーム。3年ごとに人が総入れ替えとなる、不思議な空間の中にステイする噂話をたくみに描き、少年、少女たちの淡い輝きがなんともまぶしい。舞台などで演じられているような、不思議で少し怖い何かがこの「六番目の小夜子」につまっているようだ。

学校の雰囲気を描いた恩田陸さんは本当にすばらしい。ミステリーのような恐怖でありながら、「夜のピクニック」でもあったような屈託のない青春。「いじめ」とか「登校拒否」、「校内暴力」というような金八先生的な要素を訴えるわけでもなく、ただありきたりの学生たちをストレートに書いているような雰囲気がとても好きだ。

伝説みたいなものが学校には存在することが多いが、それが何を意味しているのかではなく、それが存在することの不思議について考えたことはなかったなー。

学生生活であった噂たちは、その時たしかに生きていた気がする。

“六番目の小夜子 – 恩田陸” への 3 件のフィードバック

  1. 学校って、特別な空間です。その舞台の中で生きている一瞬の淡い輝き、青春って言葉、不思議な感覚です。この本、今度、読んでみますネ。
    Linkして頂いて、ありがとうございます。お礼が遅くなってごめんなさいネ。

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  2. 「夜のピクニック」から始まり、恩田陸さん2冊目の本でした。直木賞候補だった「ユージニア」も読みたい!

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  3. この度 ブログ 引っ越ししました。
    こちらを覗いてくださると嬉しい限りです・・・・
     
    本のお話し、楽しみにしていますね。これからも、よろしくお願いします。

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