この講座では「変数」をつかったプログラミングを学びます。変数はでとても大切なテクニックです。プログラムは変数をうまくつかいながら、いろんな処理をおこなっていきます。
変数をつくる
変数は、データをいれる入れものです(箱のようなもの)。入れものにデータをいれることで、データをせいりすることができ、せいりされたデータはとてもつかいやすくなります。
たとえば、「なまえ」という変数をスクラッチでつくってみましょう。新しいプロジェクト「へんすうをつかう」をつくってください。

変数は、「データ」のなかにある「変数を作る」をクリックします。

つぎに、変数名をきめます。名前はとても大切です。かならず、その変数の中身がわかる名前にしましょう。ここでは「なまえ」という変数をつくり、そのなかに「名前データ」をいれます。そして「このスプライトのみ」をえらんでください。これはこの変数をどこでつかうかをきめる設定です。
- すべてのスプライト用 ・・・ すべてのスプライトでつかえる変数をつくりたいときは、こちらをえらびましょう。ただ、こういった「すべてでつかえる変数」はとてもべんりですが、たくさんつくりすぎるとどれがどれかわからなくなってしまいます。
- このスプライトのみ ・・・ このスプライトでつかえる変数をつくります。
この講座でつくる変数は、すべて「このスプライトのみ」をえらんでください。さいごに「OK」をクリックすれば、変数が完成します。

変数が完成すると、その変数にかんけいするコマンドがつかえるようになります。

これで、うえの図のように「なまえ」という変数ができました。つぎはこの変数をつかってみます。
変数をつかう
スクリプトとおなじで、変数もつかうまえに初期化しておくといいです。初期化することで、はじめに何がはいっているか? がよくわかります。では、「たなか」という名前データで、変数「なまえ」を初期化してみましょう。

これでスクリプトを実行すると、変数「なまえ」の中身が「たなか」というデータで初期化されます。変わるのは中身だけです。

これで、うえの図のように、変数「なまえ」のなかに、データである「たなか」がはいった状態になりました。この変数はいつでもつかうことができます。では、この初期化したデータをつかってみましょう。

「見た目」のなかにある「Hello!と言う」をおいてください。今回は、このコマンドをつかって、変数をつかいます。このままだと、ネコは「Hello!」と言ってしまいます。

そこで、「データ」にある変数「なまえ」を、「Hello!」のぶぶんにおいてみましょう。こうやってコマンドとコマンドをくっつけるときは、くっつけたい場所にドラッグアンドドロップします。ちかくまでもっていくと白く光るので、そこでクリックをはなしてください。

実行すると、ネコが「たなか」と言うはずです! 変数のなかみは、ステージ左上でも見ることができます。
でも、このままだとなんだか不自然ですね。ネコにもうちょっとしゃべってもらいましょう。ネコが「たなかです。こんにちは!」とはなすようにしましょう。

変数と文字をつなぐときは、「演算」にある「helloとworld」コマンドをつかいます。このコマンドの「hello」に変数「なまえ」をおきます。そして、「world」に「です。こんにちは!」を入力します。「helloとworld」はまえの文字とうしろの文字をつないでくれるコマンドです。文字には変数をおくこともできます。では、実行してみましょう。

おおお! ネコが名前をしゃべってあいさつしましたね!
れんしゅうもんだい1: わがはいはネコである
ここで、変数をつかったれんしゅうもんだいを解いてみましょう。ネコが「わがはいはネコである」と言うプログラムです。
以下のスペックをプログラミングしてください。
- 「なまえ」という変数をつくって、「ネコ」というデータで初期化してください。
- スクリプトを実行すると、「わがはいはネコである。」をネコが言います。
ポイントは、「わがはいは」と変数「ネコ」と「である。」という、3つの文字をつなげることです。さて、どうやってつなげましょうか?
答えは ↓ にあるけど、まずはみないで自分でつくってみよう!
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
れんしゅうもんだい1: 答え
2つの文字をつなげるときは、、「演算」にある「helloとworld」コマンドをつかいました。3つの文字でもおなじです。文字がふえて3つになったとしても、
- ひとつめとふたつめをつなげる => ①
- ① と 3つめをつなげる
とすれば、文字を何個でもつなげることができます。では、スクリプトを見てみましょう。

まず、「helloとworld」をつかって「わがはいは」と変数「なまえ」をつなぎます。そして、また「helloとworld」をつかって、できあがった「わがはいはネコ」と「である」をつなげば、「わがはいはネコである」という文字データができあがります。こうやって、コマンドの中にまたコマンドをいれることを、「ネストする(入れ子にする)」といいます。

変数は何回もつかうことができます。上の例では「じつは、わがはいはネコであるといいたいけど、じつはネコじゃないのよね」という文字列になり、変数「なまえ」を2回つかっています。何回もくりかえしつかえるのも変数のメリットです。上の例だと、ネストがおおくて見にくいですね。使いすぎには注意しましょう。

変数「なまえ」に新しいデータを入れることもできます。変数はその名のとおり、「変える」ことができる入れものです。上の例だと、変数「なまえ」の中身はこのようになります。
- はじめは「ネコ」だった
- そのあと「いぬ」になった
変数にデータを入れると、まえのデータは上書きされるので消えてしまいます。しかし、「ネコである」と言っていたネコを「いぬである」に変えてしまうように、変数をつかえば、おなじ処理でもちがう結果にすることができます。
とくべつもんだい1: ネコ時計

ネコが「実行から1秒すぎました。実行から2秒すぎました・・・」と、1秒ごとに言うプログラムをつくります。
スペックは以下です。
- 「びょうすう」という変数をつくります。「びょうすう」ははじめ「0」です。
- スクリプトを実行すると、ネコが「実行から○秒すぎました。」と1秒ごとに言います。
- ○は「0 > 1 > 2 > 3 ・・・」のように、1ずつふえていきます。
ヒント: 変数をふやすためには、「データ」の「びょうすうを1ずつ変える」をつかいます。
とくべつもんだいの答えは「とくべつもんだい1: ねこ時計」で100円で販売しています。ページの下にある「購入して続きをみる」へすすんでください。購入方法はこちらを参考にどうぞ。答えには、とくべつじょうほう(あたらしいコマンドや、ちょっとした技など)も書いています。
この講座で学んだこと
- 変数は、データの入れものです。変数をつかえば、データを整理してつかうことができます。
- 変数名は、変数の中身がわかる名前にしましょう。
- コマンドの中にコマンドをいれることをネストする(入れ子にする)といいます。
- 変数は、何回もつかうことができます。
変数をつかってデータを入れたりつかったりすることを学びました。つぎは、リストとよばれる変数をつかって遊んでみましょう。
- 今回つくったプロジェクトは以下にあります。
- へんすうをつかう: https://scratch.mit.edu/projects/118969104/
- わがはいはネコである: https://scratch.mit.edu/projects/119041754/
- つぎの講座は「リストをつかってみよう」です。
- まえの講座は「プロジェクトを世界に共有しよう」でした。
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