みなさんは『マシュマロチャレンジ』をご存知でしょうか? マシュマロチャレンジは、TEDでも紹介されており、そのプレゼンテーションはとてもすばらしく、あなたはきっと、このゲームによって、チームビルディングでの課題や気づきを得ることができます。
このゲームは、Jeff Patton氏のプロダクトオーナートレーニングでもワークショップとして使われました。上の写真はそのときのものですが、参加者の真剣で楽しそうな姿が、このゲームの醍醐味をよく物語っているように思います。
私は過去に1回やったことがあったのですが、新人研修やチームの勉強会用に、やり方などをまとめておこうと思います。
マシュマロチャレンジのルールと進め方
詳細はMarshmallow Challenge | Tom Wujecにまとめられています。このゲームはいたってシンプルで、以下の道具やルールに従い、制限時間内に自立式のタワーを作ります。ゲームを盛り上げるために、TEDの動画やMarshmallow Challenge | Tom Wujecの情報は、参加者に内緒にしておくことをお勧めします。
ステップ1 – マシュマロチャレンジのスケジューリング
45分から60分の時間を確保しましょう。このゲームは最低4人から最大800人まで楽しめます。会場はテーブルが使えることが望ましいです。
ステップ2 – マシュマロチャレンジ組み立てキット準備をしましょう
マシュマロチャレンジでは、各チームごとに以下の道具が必要になります。
- スパゲティー20本
- マスキングテープと紐を90cmずつ
- マシュマロ
以下があると、マシュマロチャレンジをよりよりゲームにすることができます。
- タワーを測定するメジャー
- 時間を計測するストップウォッチ(シンプルなカウントダウンタイマーソフトウェアでもOKです)
- このゲームを理解するために、TEDの動画を流すことができるプロジェクタとスクリーンがあることが望ましいです。TEDの動画は日本語スクリプトもついています。また、TED2010_Tom_Wujec_Marshmallow_Challenge_Web_Version.pdfを使って自分で説明することも可能です
ステップ3 – 注意事項
マシュマロチャレンジのルールは以下です。
- ゲームは4人で一組のチームバトルになります
- 制限時間は18分です
- このゲームでは、スパゲティー、マスキングテープと紐、マシュマロを使って自立式のタワーを作成します
- 自立式のタワーなので、足場をテープで固定したり、吊るしたりすることはできません
- 完成したタワーは高さを計測するため、計測の間も、自立して立っている必要があります
- スパゲティーやテープは、切ったり、追ったりしてつかっても問題ありません
- タワーの頂上にはマシュマロを必ず置いてください
ステップ4 – マシュマロチャレンジ開始!
いよいよスタートです!
- 開催者は、各テーブルを回りながら、チームが作るタワーを観察しましょう。きっと面白い光景を見ることができるはずです
- 残り時間は、12分、9分、7分、5分、3分、2分、1分、30秒、10秒と、参加者に伝えてあげましょう
- 各テーブルごとの戦略を、ときどき全体に共有すると盛り上がります
ステップ5 – マシュマロチャレンジ終了!
18分後、それぞれのタワーはどういった状況でしょうか?とても高いタワーができましたか?ジェフ・パットン氏のワークショップで、私のチームは以下のようなタワーになりました。

最後の最後までこのチャレンジは盛り上がります。チャレンジ終了後の流れは以下になります。
- 各チームの高さを計測しましょう。手を離したら倒れてしまうチームは失格です
- 1位のチームに拍手を贈りましょう
そして、最後に、このゲームの重要な視点を、参加者と共に学びましょう。言葉で説明するのもいいですが、TEDの動画がとてもわかりやすく面白いです。
http://video.ted.com/assets/player/swf/EmbedPlayer.swf
TEDでは以下が語られています。
- ビジネススクールの生徒より、子供のほうが高いタワーを建てる
- ビジネススクールの生徒は、適切なプランを見つけだそうとする。そしてプラン通りに実行しようとする。そしてマシュマロを載せたときに危機を初めて知る
- 子供はマシュマロをのせ、プロトタイプを作りながらマッシュアップしていく
- CEOたちのグループに、プロセスを管理する人を加えると成績は高くなる
- 高額の賞金をつけると、全チーム失敗したことがある
- インセンティブ+ロースキル≠成功
- インセンティブ+ハイスキル=成功

小さなチームで大きな成果を出すのは難しいものです。私のチームはわずか3cmの高さでしたが、三角錐のタワーを設計していたので、すごく高いタワーができる可能性を秘めていました。しかし、
- 部品作成に時間がかかった
- 部品を結合したらうまくいかなかった
- マシュマロをのせることができなかった
と、よくある失敗プロジェクトと同じ事を、このチャレンジで実行してしまったのです。しかし、この失敗により、大きな学びを得ることができました。
まとめ
TEDのプレゼンターが言うように、ファシリテーション能力、プロセスの理解と管理が、プロジェクトに大きな効果を生み出すことがよくわかります。まさにスクラムの中の「スクラムマスター」の仕事がそれなのかもしれませんね。
プロジェクトごとにコンテキストがあり、それぞれが異なったマシュマロを持っています。最後にマシュマロをのせて「あーあ」となるか?「やったー」になるか?スクラムマスターの力や、ちょっととしたプロトタイプで大きな変化が生まれるかもしれません。これはやってみる価値のあるチャレンジではないでしょうか?
マシュマロという「隠れた前提」に対して、あなたはどうアプローチしますか?
追記:以下のワークショップもオススメです。
https://daipresents.wordpress.com/2014/kanban-pizza-game-ja/