父島の境浦海岸は沖合いに難破船があるめずらしい海岸だ。
僕はその付近にある宿に泊まっていたので、夜に星座でも探そうと思って原付で海岸まで降りてみた。宿の人が言うとおり、まったくもって光がないので、原付のライトだけが頼りだった。真の闇というのはものすごい暗い。
浜辺に近づいて道路がじゃりみちになったところで、ソフトボールぐらいの何かが四方にガサガサと散っていくのが見えた。気のせいか?と思って原付を止めると、あたりは本当に真っ暗。
あわてて持ってきたライトをつけようとすると、ライトがつなない!!おかしいとおもって確認してみると、電池が入っていない!!
しかも、真っ暗で原付がどこにあるかわからない。
さらに、まわりで「何か」がガサガサ動いている。
手探りで原付を探し出し、ライトをつけるとまた、ソフトボールぐらいの何かががさがさ移動していた。あんときはまじで怖かった。
あの「何か」については確認がとれていないが、どうもでっかいヤドカリぽいことが判明。父島では夜になると林でガサガサ動く音がするのが日常。