昼休みの冒険

現在の職場はチョット変。というか大分変だと思う。
週一回ぐらいなんだけど、昼休みに冒険が始まる。冒険の始まりはこんな一言だった。
「どこまでこっちの方向にいけるかやってみましょうか?」
この日は、どこまで南の方向に行けるか?という度胸試しだった。延々と南へ歩く。やがて商店街を抜け、住宅地に入る。ここで「もう戻りましょうよ」と言ったらチキンとみなされる。
1回目は「おもろいよねー」とか言いながら、びびらずに南へといけた。そして、結構おいしくて素敵な店を見つけたのだ。
帰り道、周りのみんながいうには、「これ以上はないって10回以上あきらめた」らしい。それでも見つかったという事実が、僕らに共通の強い意志を生んだ。
限界の先にこそ、栄光がある。
北へと向かうとき、近くに店が見つかって、「ここにしましょうよ」と言ってみるとこう言われた。
藤原さん、そこにはクリスタルはありませんよ。
どうやら、クリスタルを探しているらしい。本当に愉快な仲間たちである。その日は、完全に住宅地に突入し、「絶対ない」と10回思った。それを告げるたびに「諦めたらそこで試合終了ですよ」と言われる。安西先生は厳しい。
そんなこんなで、今日は東へ。気がついたら隣の駅にいた。ふと気がつき、そこで藤原は皆に問いかける。
「あのさー。まっすぐいったとしても、どっかで隣町に行くんだから、となりの駅にいけばいいんじゃない?」
皆が僕を見る。そして、何もなかったようにさらに進み続ける。そうなのだ。クリスタルへの道は遠いのだ。