寄生獣である人間について

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寄生獣 (8)

すべての終わりが告げられても・・・「ああ、そうか」と思うだけだ。

昔、親父にこんなことを聞いたことがある。
「ニュースばっかり見てるけど、ニュースがなくなることってあるのかな?」
親父は確かこう言った。
「多分、ない」
ニュースの原因となるものはほぼ人間だ。自然災害などもニュースにあげられるが、本質的な問題は人間なのだということがよくわかる。
ある日突然飛来した謎の生物。彼等は人間の脳を支配し、ある本能に従って行動する。その本能とは「人間を食い殺せ」。泉新一も寄生生物に襲われた高校生だった。しかし、彼は脳を支配されることなく、代わりに右手を寄生され、謎の寄生生物と共に生活を送ることになる。ミギーと名づけた寄生生物との暮らしにも慣れてきた頃、世間では人間がバラバラになって発見される事件が騒がれていた。そして、人間を食い殺す寄生生物が、新一の前に現れることになる。
「寄生獣」は昔持っていたのだが、最近になってまた読むために購入した本だ。本の中で暴れる寄生獣は恐ろしく、本当に怖いものなのだが、自分が寄生する人間を食い殺すようにインプットされた種、という設定はとても矛盾した内容で興味深い。なにしろ、自分の種を繁殖させることができない寄生獣のため、人間を食い殺してしまうと、種としての目的を失ってしまうからだ。
そして、寄生獣の中にその矛盾に悩むものが現れる。何故我々は生まれてきたのか?彼等は一つの結論に達する。それは「地球を蝕む人間を減らすために我々は存在する」と。本能に従うために合理的に考える寄生獣。しかし、その考えは人間が本来考えなければならないテーマを代弁するように感じる。
つまり、寄生獣によって気がつかされる点がたくさんあるということだ。
人間は本質的にすべての頂点に自分がいると思っている。だから、衝突が生まれ、自然を破壊し、ニュースがなくならない。現代ではモラルということばが死語になりつつある。個人主義が大切に扱われるようになり、基準がもうもてないからだ。しかし、パーソナリティは、生命が生きていくうえで大切なものなのではない。あくまで、付属するだけのものだ。
寄生獣は今という時代だから生まれた作品だと思う。そして、なぜ生まれたのかを考えると、今の時代に一番考えなければならない、大切なテーマ。
共存というテーマを感じるからかもしれない。