
「tokyo.sora」
東京の空の下、6人の女の子の物語。
台湾からの留学生のコは、コインランドリーで出会った青年に
恋をする。青年が読んでいた本を読み、日本語を覚えようとする。
売れないモデルのコは、ティッシュ配りをしながらオーディションを
受ける生活。
美大生のコは、小さい胸をきにしながら恋がはじまる。
昼は小説を書き、夜はランパブで働く葉子。
ある時、自分の小説が編集者の目にとまる。
はやらない喫茶店でたわいのない会話するコ。
葉子と同じランパブで働くユキ。
いつまでもシャンプーばかりで、カットさせてもらない。
6人の女の子には、それぞれの生活があり、その日常の線は
わずかに交差するが絡まない。
東京の空の下、いいことがあったり、わるいことがあったりする中、
彼女達は生きていく。
葉子はユキを主人公とした小説を書き始める。
「空から振る雪のユキ」と名乗ったユキを描き始める。
2人がわずかながら同じ時間をすごすときが、とても印象的だった。
東京の空の下、出遭った二人。思いは届かない。
この映画では、東京の空はなかなか晴れない。
登場人物は本当にかすかにつながっているだけだが、
それぞれが共通に持つ何かが、互いを結び付けているように思えた。
会話は自然であり、東京での生活も日常なのだが、
映像はとてもきれいで、同じ視点で空を眺めているようだった。
映画を見終わった後、オフィシャルサイト
を見たが、そこにELTの持田香織のコメントが載っていた。
この映画を見て詩を書いたらしい。
もしかすると、「ソラアイ」はこの映画から生まれたのかもしれない。
この空の下、普段と変わらないが違う毎日の中、
なかなか晴れない空でも、僕達は生きているということを
感じることができる気がする。