さぁ、勝負をしよう

感想おまちしてます!

昔、アマチュアながらとても強いビリヤードプレーヤーがいました。
その人はプロにも平気で勝つぐらいの腕前で、アマチュアでもかなり上り詰めた人です。その人と初めてやったとき、ハンデをもらいながらも僕は勝ちました。
その後、その人はその負けを取り返すために僕をつかまえ、ぼこぼこにたたきのめしました。僕は自分を倒した人間には必ず勝とうと思って練習しました。ビリヤード場の店員もそのころ始めました。店員になったこともあり、その人とはなかなか撞く機会がありませんでした。
数年が経ちました。
ある日、お客さんがいないとき。その人と二人でビリヤードについて話していました。その人は言いました。
「10対0で負けてたとしても、10対0になる可能性があるなら、10対10になる可能性もあるわけだ」
ちょうど時間があったので、その人にハンデなしでの勝負を挑みました。ビリヤードの世界で「ハンデなし」というのは特別なものです。これは「お前と俺は同レベルだ」という意味なのです。つまり、今までランキング的に下の人間が「同じだ」と宣言するのですから、相手によっては怒る人間もいるほど注意が必要なことなのです。
多分5セット先取りだったと思います。
1試合目は僕が取る。(1-0)
2試合目も僕が取る。(2-0)
3試合目も僕が取る。(3-0)
ここらでギャラリーも増えてきました。
4試合目は取られる。(3-1)
5試合目は僕が取る。僕のリーチ。(4-1)
6試合目は取られる。(4-2)
当時、その人は絶好調で、店で1番の実力者でした。僕がリードしているとはいえ、ギャラリーには僕が勝つイメージなどなかったと思います。「大が勝っている」というのはある意味衝撃でした。それは僕自身がそう思っていたから間違いありません。外野の野次などでまくられるムードがでてきました。でも、僕は負ける気がしませんでした。
7試合目は僕が取る。ゲームセット。ギャラリーが沸きました。
初めてその人にハンデなしで勝った日のことです。その日はそれだけでぐったり疲れるほど集中力を使ったのをよく覚えています。その人に「強くなったなー」と言われたのがうれしかったです。
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その人のビリヤードスタイルは僕にとってとても魅力的でした。もう楽しくって楽しくって仕方がないというような玉突きをする人で、一緒にやると同じように楽しくて仕方がなくなります。そういう人と戦っていると、勝負と言うものの面白さを力強く感じます。萎縮してはいけません。
威風堂々とあるべし。
ビリヤードは1対1のスポーツなので、勝負の中でそうあることはとても大切な要素となります。これは誰かと話すときなどの場合にとてもよく似ている気がします。誰かを説得するとき。誰かを怒るとき。誰かと笑うとき。そういうときに、自信が持てなくとも自信を持って話せるようになったのは、その人に出会うことができたからでしょう。
阪神タイガースを見ていてこんなことを思いだしました(笑)
さぁ、勝負をしよう。堂々と。自信を持って。