テスト管理をエクセルやスプレッドシートからTestRailに変えたけど戻した話

昔、QA部署のエンジニアリングマネージャーをしていたときに、テストの管理をSaaSに置き換えたいと思っていた。SaaS型のWebサービスを使うと検索性が高まるし、APIが使えると自動テストと繋げておしゃれな結果を作成できる体。結論を言うと、1年ぐらい使って元に戻した。

TestRailじゃなかった理由

一番の原因は、ずばりコスパが悪かったこと。TestRailは優れたツールだが、クラウド版で1ユーザ$37(この記事を書いているときで5,241円)と結構高い。

ソフトウェアの品質というものは、開発全体にオープンであるべきなので、利用するユーザはQAに限らず、プロダクトマネージャやプロジェクトマネージャ、エンジニアリングマネージャーや経営者など、幅広く見れる必要がある。そうなると、ユーザを絞って利用もできず、月当たりの利用コストが高まってしまう。

もうひとつの原因は、エクセル(スプレッドシート)で十分な使い方しかできなかったこと。SaaSならではの検索性の高さや特徴的なツール、グラフィカルなデータ分析など満載なのだが、全く使われていなかった。

テストケースを網羅的に作って管理するなら、エクセルのUIが最強になる。機能も使わないならエクセルでいいよね。

もともと、サービスを利用するときに、期待する結果や、金額に対するリターンなどを説明していたが、残念ながら予想通りには行かなかった。

その後

この話をメンバーにしたら、ぐうの音も出ないようだった。

ただ、メンバーはTestRailを使い続けていた。とっとと止めろといっても続けていたのはなぜか?

答えは「乗り換えるのが面倒くさいから」。

サンクコストをきちんと考えられる働き方ってとても大切だと思う。そして、なによりも、新しいサービスを試すのはいいけど、だめなときはだめとすぐ判断し、また新しいチャレンジをすぐはじめるのも身につけるべきふるまいだろう。

その時のメンバーには、それが足りなかったのかもしれない。

念のため書いておくと、TestRailは優れたツールである。

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