アジャイルを知り、変化をはじめる!『楽天での実践から学んだアジャイルのはじめ方』より #aj12東京

先日のエントリでも書かせていただいたのですが、アジャイルジャパン2012 東京サテライトでアジャイル入門セッションを発表させて頂きました。資料はSlideShareとSpeaker Deckで公開中です。
スライド枚数が多く、当日は早口の説明になってしまったため、何回かに分けて簡単ですが補足をさせていただこうと思います。今回は『アジャイルを知り、変化をはじめる』がテーマです。
はじめに
僕は社内で「はじめてのアジャイル」という説明をほとんどしたことがないので、「アジャイル開発」をはじめるときにやっていることや、導入して反応が良いプラクティスについて説明させて頂きました。
発表内容は去年のAgile Conference 2011で得た内容をベースにしています。カンファレンスのフィードバックについては、社内にいるAgileに興味のある人たち向けに作った資料「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」がありますのでそちらもよろしければ。
アジャイルをはじめるにあたって読んでおくといい資料
アジャイルに関連する書籍はいくつかありますが、まずは以下のスライドを読むことをお勧めしています。本を読んだだけでアジャイルになるとは思っていませんが、どういった手法があり、歴史があり、言葉があるのかという事前知識は自習できます。
@kakutaniの資料です。僕は2011年に@kawagutiとアジャイルサムライの著者であるJonathanのセッション記事を書く機会があり、事前勉強としてこの資料とアジャイルサムライを読みました。アジャイル開発についての大切なことがとてもよくまとめられており、さらに、@kakutaniの補足説明が入っているので、本ももちろんですがいい資料だなーといつも思います。
次に導入事例が多いスクラムについては、@nawotoの資料がおすすめです。直人さんの発表では、スクラムについて丁寧に説明されており、アジャイルコーチ活動を通したいろんな視点を知ることができます。
10 years devsumi agile and the future
最後に歴史については、@hiranabeの発表が面白いです。XPとの出逢いから始まる平鍋さんの10年と未来への展望は必見です。
国内と海外のアジャイル

発表を機会に国内と国外の違いを比較してみたのですが、世界最大のアジャイル祭である「Agile Conference」のステージテーマを見てみると、とても面白いことがわかります。
2008年のステージから今年の8月に開催される2012年のステージまでをならべてみると、今年のステージテーマのほとんどが過去に登場したものです。昔は「エンタープライズアジャイル」「大規模アジャイル」のように旬なテーマが登場していましたが、去年、アジャイルマニフェスト誕生10周年をむかえ、盛り上がりは一段落した印象です。つまり、びっくりするような新しいテーマはそんなになくなってきちゃった。
しかし、そんな中、最近話題としてあがってきたのがリーンスタートアップと継続的デリバリー。リーンスタートアップについては、東京サテライトで和波さんによるワークショップも開催されました。
ちょっと強引な例えかもしれませんが、これまでのアジャイルが中の改善(チーム作りや組織改革)だとすれば、リーンスタートアップや継続的デリバリーは外へのアプローチ(ビジネスと開発の両輪駆動)のように見えます。

海外と国内を比較するとあきらかにステージが違います。「Doingだけじゃアジャイルにならない?アジャイルになるための継続的デリバリとリーダーシップとは?」でも書いたのですが、国内の発表を見ていると「やりかた」や「やってみた事例」が多く、「そうなった結果」の話がまだまだ少ないように感じます。Jonathanのブログにも
Agile Japanの盛り上がりは、10年前の北米を思い出させる。
と書かれています。北米では10年かかってアジャイルがメインストリームになったんですね。前例に習う場合、この10年で日本のソフトウェア開発は大きく変化するかもしれません。
変化のはじめかた

いよいよ本題ですが、開発現場に求められていることはこの10年で変化したのでしょうか?高い生産性を求められる点などは、いつまでたっても同じ事を言われている気がします。改善は求められるがなかなか進まない。改善ばかりで疲れてしまうという話もよく聞きます。
そういった背景もあってか、社内アジャイルコーチのニーズが高くなっているようです。コーチのお仕事は簡単です。これまでできなかった改善を現場のメンバーと取り組んで解決し、改善を繰り返す体力と能力を身につけていくだけです。
ただ、一方で誤解も多く、「お願いしたらあとは勝手にやってくれる」と思っている人もいます。目を背けずに問題を解決する覚悟を持ってもらえない場合は、コーチも断るようにしています。なぜならお互いいいことがない。
現場の問題は現場で解決する必要がありますし、「問題」や「課題」といった臭いものに蓋をしても、臭いままです。いくつかのプロジェクトを回ってわかったのは、「改善は現場で実際に作業する人が興味を持たないとはじまらない」ということでした。誰かが何かをしてくれるわけではないです。

そして、興味を持っているエンジニアが見つかると or 見つけるため、準備には気を使っています。アジャイルコーチの期間で何を解決するか?コーチとのコラボのゴールは?その後どうなっていくのが理想か?を確認しています。コラボレーションのゴールとプロジェクトのゴールはわけて考えたほうがいい気がしています。
*
次回は、発表のメイン部分になる『変化を生み出すプラクティス』編を予定しています。
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ご意見
僕について
Dai Fujihara
A hero can be anyone.
藤原大はマネージャでありアジャイル実践者だ。そして、プロジェクトリーダー、チェンジ・エージェント、アジャイルコーチ、トレーナーでもある。彼はまたRedmine、Jenkinsといった開発を支援するツール環境の整備や、アジャイル開発を活用した創造的なソフトウェア開発の支援を行っている。さらに、趣味は沖縄離島巡りらしい。
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永久保存の本
Jonathan Rasmusson (著), 西村 直人 (翻訳), 角谷 信太郎 (翻訳)
アジャイルサムライ―それはソフトウェアを顧客に届ける猛々しきプロフェッショナルだ。本書では、圧倒的なアジャイルプロジェクトの姿を見せる。2011年爆発的にヒットしたアジャイル開発に情熱を持つエンジニアに届けたい本。
Mike Cohn (著), マイク コーン (著), 安井 力 (翻訳), 角谷 信太郎 (翻訳)
採用した現在のタイトルは、見積りや計画づくりといったプロセスを、アジャイルに進めなければならないと謳っているのだ。見積りと計画づくりがアジャイルでないのに、プロジェクトがアジャイルであるということはありえない。(イントロダクションより)
Venkat Subramaniam (著), Andy Hunt (著), 木下 史彦 (監訳), 角谷 信太郎 (監訳)
アジャイルな習慣とは一体何なのか?本書ではプラクティスを交えながら、その姿勢を読者に問いかけている。世代や役割をこえて色褪せない「アジャイル」に対する良書。Amazonレビュー
メアリー・ポッペンディーク (著), トム・ポッペンディーク (著), 高嶋 優子 (翻訳), 天野 勝 (翻訳), 平鍋 健児 (翻訳)
「トヨタ生産方式」を源流にする「リーン開発」をソフトウエア開発に取り入れるための具体的方法を紹介した本です。本書は、リーンの7大原則を「価値」「ムダ」「スピード」「人」「知識」「品質」「パートナー」に整理し、ソフト開発現場にどうしたら効果的に適用できるかを、多くの実例を交えながら具体的に説明します。
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