ぐりとぐら

感想おまちしてます!

リラーリラースイー。

その時の僕はとても気分がよくて、思わずその音を口ずさんだ。音とはいっても、この「リラーリラースイー」は本に書かれていた言葉であって、音程が合っているかなんて誰にもわからない。でも、僕の中でこの文字がこの音に聞こえたんだと思っている。
「それは何?」
彼女は顔を上げてこう言った。
「これは『ぐりとぐら』の中でハーモニカを吹くシーンがあるんだけど、その時の音が『リラーリラースイー』という音なんだ」
僕は説明する。
「なるほど。それは面白いね」と彼女は言う。
僕はうなずく。
自分では意識しないんだけれど、こういったものは誰の中にでもあると思う。印象的なシーンは、自分が忘れてしまっても、心の奥底で深く深くインプットされる。ふと口にした言葉に興味を持ったり、それを説明したりすると、自分しか知らない秘密を共有するみたいで楽しい気分になる。自分の中にしかないもの。それが2人がしる秘密になるからだ。
リラーリラースイー。
ハーモニカといえばこれが一番有名な曲だと思う。それはとても素敵な秘密でもある。ぐりとぐらが作った大きなカステラが頭に浮かんでくる。僕は彼女に聞いてみる。
「なんだかお腹がすいたね」
「うん。お腹がすいた」