クライマーズ・ハイ – 横山 秀夫

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クライマーズ・ハイ
クライマーズ・ハイ - 横山 秀夫
クライマーズ・ハイ – 横山 秀夫

下りるために登るんさ

そういい残して植物人間状態となった安西。悠木は安西が倒れた当日、2人で衝立岩を登る約束をしていた。悠木が登山のために勤め先である「北関東新聞」を出ようとしたとき、未曾有の巨大航空事故である「日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故」が発生する。日本全土を襲ったこの事件は、地方新聞である北関を飲み込み、記者たちは奔走する。
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著者の横山秀夫さんは群馬の上毛新聞の地方記者という経歴を持つ。小さな地方新聞が、日航ジャンボ機墜落事件という大事件に飲み込まれていく姿が、とてもリアルに書かれているのも納得だろう。「沈まぬ太陽」の山崎豊子さんも記者だったので、この2人が御巣鷹山について書くというのにとても興味を持った。
クライマーズ・ハイは地方新聞である北関東新聞の社内が主な舞台だ。
内容はとても熱い。熱すぎる。新聞記者の熱気がガンガン伝わってくる。巨大な事件を前に、自分自身の人生を振り返っていく主人公の姿や、地方新聞にもある権力争いや、記者同士のガチンコバトルがいたるところにあり、「!」で終わる文章がとても多かった気がする。もう、叫ぶ叫ぶ叫ぶ。
クライマーズ・ハイでは、巨大な事件と「衝立岩」への挑戦が交互に描かれている。この衝立岩というのは実際にある場所らしく、「魔の山」とよばれるほど危険な場所だ。クライマーズ・ハイでは以下のように述べられていた。

昭和35年。衝立岩の正面壁を登っていた2人の山岳会因果転落して宙吊りになった。発見されたときは2人とも死亡していて、2人を担いで降りることは不可能な岩場だったため、自衛隊の銃撃によるザイル切断という前代未聞の遺体収容方法が採られたという。直径わずか12ミリのザイルを狙う。風で的は揺れる。このミッションに1200以上の銃弾を費やした。

衝立岩の写真をネットで見たが、すごすぎる。。。僕の親父が山男なので、登ったことがあるのか聞いてみようと思う。
参考:朝日に燃える衝立岩
クライマーズ・ハイ。
興奮状態が極限まで達し、恐怖感などが麻痺する現象。
クライマーズ・ハイが終わると、突然われに返ってしまい、登山中だととても危険なことだ。「下りるために登る」と言った安西の言葉を聴いて、「なぜ山に登るのか?」というよくある疑問を、改めて考えてしまった。
僕は今度、御巣鷹山に登ろうと思っている。沈まぬ太陽を読んで、クライマーズ・ハイを読んで、あの日航ジャンボ機123便を飲み込んだ「御巣鷹山」を登ってみようと思ったからだ。さらに、520人の命を受け止めた御巣鷹山で、遺族による慰霊登山が行われているが、もう事件から20年がたとうとしているため、遺族の高齢化が進み、登りたくても登れない人も多いらしい。
なぜ山に登るのか?僕は山男ではないので、その答えを話すことはできない。しかし、なぜか登らなければならない気がする。なんで君が?といわたりもする。そうだね、僕が登っても世界はうまくまわるって。でもね、これは本人にしかわからないことなんだろうけど、登らなきゃならない時ってもんがあるとすれば、今って気がするのだ。
亡くなった人たちの気持ちとか、遺族の方の気持ちとか、そういうものをあの山で感じたいと思う。

コメント

  1. hoddy より:

    TBありがとうございます。
    「御巣鷹山」への登山、素晴らしい計画ですね!是非、実現させてください。
    こちらからもTBさせていただきます。

  2. だい より:

    hoddyさんこんばんわ!週末はトレッキンググッズを下見してきました。近い将来行って参ります。

  3. 横山秀夫「クライマーズ・ハイ」

    ペラペラとTV情報誌を見ていたら、「ん?」。
    以前読んだ作品がTV化されるようです。
    クライマーズ・ハイ
    横山 秀夫
    おす…

  4. クライマーズ・ハイ/横山秀夫

    何のために山を登るのか、という悠木の問いに、安西は「おりるためさ」と答えた。その意味を追い求め、地元紙記者の悠木は、御巣鷹山の航空機墜落事故の全権デスクという立…