小説本

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ラッシュライフ – 伊坂幸太郎

「とにかくだ、この原始的な動物ですら、同じことの繰り返しよりも自殺することを選ぶ」 プラナリアという原始的な動物は、水がないと死んでしまう。容器の1箇所に水をいれ、そこにライトを当てておくと、プラナリアは水を求めて移動し、しだいにライトの当たったところを探すように学習していく。 それを繰り返す。 すると、プラナリアはまったく動かなくなるという。そしてそのま...
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夜は短し歩けよ乙女 – 森見登美彦

こんな夜中に何をしている。本を読んでいた。夏の世にふさわしく、とんでもなく興奮する本を見つけたからだ。 夜は短し歩けよ乙女。 気になっていた「黒髪の乙女」に声をかけようと、夜の京都から物語りは始まる。乙女は「おともだちパンチ」をたずさえ、美しく調和のある人生を目指してひたすら歩いていく。 最期の最期に恋愛小説だとわかった。とてもキュートでポップな物語。めま...
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ひとり日和 – 青山七恵

「世界に外も中も中もないのよ。この世は一つしかないでしょ」 第136回芥川賞受賞作。 久しぶりに本を本屋で買った。本屋で単行本を買うということは、とても贅沢なことなのだと思う。それでも、本屋に行くと面白そうな本が待ち受け、どこから手をつければいいのか悩み、最期に諦め、何も買わずに帰ってしまう。この辺が僕らしい。 「ひとり日和」は、20歳の女性の出会いを描い...
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ランドマーク 吉田修一

俺が何したって誰も気がつかないんじゃねぇかって。たとえば、俺が急にいなくなってもさ、誰も気づきもしねぇで、俺が建てたビルだけが、そこにぽつんと残んだよ。 僕は何かを残したくて仕方がない人間だと思っている。でも、それは結局誰にも気がつかれないまま、残ったりなくなったりするんだと思う。 だから、ちょっとでも何かを残したくて、やさしくさわったり、傷がつくほどさわ...
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つきのふね

なぜならそれは、女優になっていい思いしてもすぐに掌を返したようにバッシングされるのがオチだし、今はまさかと思うような一流企業があっけなく倒産してしまう時代で、政治家ほど人にきらわれる存在はないからだ。 中学生のさくら。裏切ったことで親友をなくし、偶然であった智さんは心を壊していく。青春の影を美しく描いた長編傑作。 現在僕は、森絵都さんの本に夢中なのだけれど...
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バスジャック – 三崎亜記

信じるっていうのは、お父さんからの一方的な気持ちの押し付けだ。こうあってほしいっていう身勝手なものだね。信頼するっていうのはそれとは違う。(バスジャック - 送りの夏) 「動物園」を読んでいると、日々感じる孤独をとても強く感じて、最期には涙が出てきた。変化を求めながら、変化から踏み出すことのできない、もしくは変化から動かない。そういった心の奥にある真理をう...
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卒業 – 森 絵都 「永遠の出口」より

高校の卒業式には行かなかった。というか忘れていた。特に意味はないんだけど、尾崎豊のように盗んだバイクで走り出したり、この支配からの卒業とか、それに近いものがあった気がする。
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恋 – 森 絵都 「永遠の出口」より

恋とは切ないものだ。それがよくもあり、それがつらくもある。初めて絶望したのはたしか19歳のときだった。これがまた笑えるシチュエーションで、映画「タイタニック」を見た後に告白されたのだ。その子はとてもかわいい人で、アルバイト先で人気者。まさか、いきなり告白されると思わず、とりあえず友達からということで付き合い始めることとなる。
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放課後の巣 – 森 絵都 「永遠の出口」より

高校生の僕は、世の中が自分の思い通りにいかないのがとても許せなかった。今もあんまりかわらないんだけど、前よりも少しゆとりがある感じだ。アルバイト先はどこも楽しく、あるおしゃれな飲み屋では、忘れられない思い出があった。毎夜毎夜、一人暮らしの家で飲み明かし、学校にも行かず遊びほうけていた。しかし、歳の近い仲間たちといる時間はとても楽しく、いつまでもこのままでいたいと思う場所だった。
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時の雨 – 森 絵都 「永遠の出口」より

両親の考えていることは、子供には決して理解できない。これは、あとになって僕が理解したことだ。もちろん、今もわからない。親と子は血でつながっている。これは素敵なことだと思う。しかし、親と子には境界線がある。親はこの気持ちを理解することなんてできないし、子供にも親の気持ちなんてわからない。
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遠い瞳 – 森 絵都 「永遠の出口」より

”ま、こんなもんか” そのきっかけは単純なもので、今でも鮮明に覚えている。中学を卒業して高校に入ったとき、周りは群れからはぐれないように、グループを作ることで頭がいっぱいだった。そして、初めて話をするクラスメイトが、「ねぇ、どこの中学だったの?」と話しかけてきた。
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DREAD RED WINE – 森 絵都 「永遠の出口」より

”人はいつ当たったアイスをもらいに行かなくなるのだろうか・・・とかね、考えてたわけよ” 思春期。人はそれをナイフのように鋭く、ガラス細工のように繊細な時代と言う。はたしてそのとうりなのだろうか?
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春のあなぽこ – 森 絵都 「永遠の出口」より

”どんなにつらい別れでもいつかは乗りきれるとわかっている虚しさ。決して忘れないと約束した相手もいつかは忘れると知っている切なさ。多くの別離を経るごとに、人はその瞬間よりもむしろ遠い未来を見据えて別れを痛むようになる。”
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黒い魔法とコッペパン – 森 絵都 「永遠の出口」より

小学生のとき。給食で「らっきょう」がでたことがある。しかし、僕は勿論、友達にも大不評だった。しかし、小学生の時の給食というものは「絶対に食べきらないといけない」という暗黙のルールがある。どんなにまずい食事もたべきらないといけないのだ。そのときは先生が一言こういって終わった。
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永遠の出口 – 森 絵都 「永遠の出口」より

僕の小学生時代はいたって平凡なものだ。背の順はいつも前のほうで、中学年ぐらいでメガネをかけるようになって、鉄棒から落ちて骨折したり、放課後に校庭の水道をがぶがぶ飲んでた。いたって普通の小学生だ。
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西の魔女が死んだ – 梨木香歩

うれしくて、うれしくて、ここにうずくまって泣きました。 西の魔女が死んだ。2年前、まいは中学校になじめず、おばあちゃんのところでしばらくの間生活することになった。そして、そのときにおばあちゃんは自分の家系は魔女の血が流れており、まいにもその力があることを告げる。まいは魔女の修行を受けることを決意し、魔女修行で大切となる「何事も自分で決めること」を学ぶ。そし...
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沖で待つ – 絲山秋子

同期というものは皆さんにとってどういう存在なのだろうか。 僕の同期について周りがいうならば「仲が悪い」らしい。ただ、同期たちにはそういう思いはなくて、ただ単にお互いに距離を置いているだけだと思う。ようはめんどくさいのだ。視点が変わるだけでこうも違う。 僕も同期と同じでめんどくさい付き合いはごめんなのだが、「沖で待つ」を読んで「同期ってそういうものなのかな?...
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平成18年上半期直木賞と芥川賞

はじめて最新の直木賞作品、芥川賞作品を読んだんだけど、どちらもなかなか読み応えのある内容だった。最近では「本屋大賞」の本のほうが面白い気もするが、なんといわれようが2代文芸賞とでもいうのであろうか、この賞を受賞した本もいいもんだ。 >風に舞いあがるビニールシート - 森絵都 この人の文章は、必ずオチがあるような気が。とても珍しい感じの作品だ。頭の「器を探...
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負け犬の遠吠え – 酒井順子

負け犬の遠吠え 「負け犬」という言葉が一世を風靡したのは記憶に新しいことだ。 この「負け犬の遠吠え」は女性ベースで語られているのだけど、負け犬には「負け犬のメス」と「負け犬のオス」というものがあるらしく、僕も読んでみることにした。 まず、女性の書くこういう「ぶっちゃけトーク」というのはとても面白い。女性の発想はとてもユーモラスでシビア。声を出して笑ってしまう...
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流星ワゴン – 重松清

38歳、秋。ある日、僕と同じ歳の父親に出遭った。 僕らは、友達になれるのだろうか? 浮気する妻。引きこもりの息子。そして自分は会社をリストラされる。疲れ果て死ぬことを考えながら酔っ払い、気がつけば最寄の駅のロータリーにいた主人公の前に見慣れないワゴンが停車する。そこにのっていたのは、過去に新聞の記事でちらりとしった、交通事故で亡くなった親子だった。「あなた...
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