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『アジャイル開発とスクラム 第2版』の感想

『アジャイル開発とスクラム 第2版』が明日発売されます。発売前に本を頂いたので感想を少し書かせていただきますが、自分はそれなりにアジャイル開発をやってきているので、この本の読者層とはマッチしない可能性が高いです。それにしても第1版から8年ですって!

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アジャイル開発にはじめて取り組もうとするリーダーやマネジメント層向けの良書

第1版に寄稿させていただいたのが8年前とは、時間が立つのは早いものです。当時はまだアジャイル開発の事例も少なく、「自分たちなら誰よりもうまくできる」という根拠のない自信をもとに、チームで試行錯誤しながら、ゴールを信じて突き進んでいました。

本書は8年という時間を体感できる内容になっています。もし、チャンスがあるなら、第1版と読み比べてみると面白いはずです。なぜなら、何が変わって、何が変わっていないのかが見えてきます。

印象的なのは、「第5章 アジャイルの進化とスケールフレームワーク」でしょう。8年前は「大規模アジャイル」 なんてまだ海外の話でした。大人数でアジャイル開発をする事例はあれど、大規模で組織的かつ効率的なアジャイル開発には程遠かったように思います。しかし、現在は、LeSSを中心にエンタープライズレベルのアジャイルが求められています。アジャイル開発が当たり前になればなるほど、小規模だけでなく大規模にまで適用が求められるのは当然であり、この章が必要になるのは必然です。

そして、「第2部 アジャイル開発とスクラムを実践する」は刷新され、3つしかなかった事例が倍増して6つになり、今の現場の物語がせきらら語られています。特にKDDIの事例ではアジャイルを追い求めた友人の活躍を知ることができ、IMAGICA Lab.の事例は、その泥臭さや粘り強さから、現場の勇気と強い意志を感じました。

そしてなによりも、著者である平鍋氏の8年前と変わらないパッションには脱帽です。氏の文章や発表はアジャイル実践者を夢中にする魔力があります。本書のすみずみから感じる氏の情熱はきっと、XPのプラクティスのように周囲をEnergizeしつづけてくれるはずでしょう。

ひとつだけ残念だったのは、Scrum Inc.や永和情報システムからの引用が多かった点でしょうか。2社が日本のアジャイル開発を牽引する存在なのは誰もが認めるところでしょうが、それが多すぎるとやや退屈です。

8年経って、アジャイル開発やスクラムは当たり前になりつつあるのかもしれません。しかし、本書にも登場し、あらゆるところで引用されているセールスフォースのような事例が日本からでてきたでしょうか?

これからは本当の意味での「成功」を示す事例が登場する予感がしています。アジャイルマニフェストが登場して20年。これをもう20年と考えるか、まだ20年と考えるか。来たるべき未来が楽しみでなりません。

参考: アジャイル開発とスクラム 第2版(Amazon)

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