『スターバックス再生物語』から学ぶリーダーシップの本質

スポンサーリンク

本書の舞台は未曾有の大不況が世界経済を襲った2008年。当時のスターバックスは事業はどんどん拡大していたが、成長に低迷の兆しが見えはじめてきた。それに気がついたハワード・シュルツ氏は、CEOとして返り咲き、愛するスターバックスの再生に全力を尽くす。2018年度のベスト本『SHOE DOG』によくにた感動が伝わってくる本だった。すばらしい。

スポンサーリンク

スターバックス再生物語

本書の舞台は未曾有の大不況が世界経済を襲った2008年。当時のスターバックスは事業はどんどん拡大していたが、成長に低迷の兆しが見えはじめてきた。それに気がついたハワード・シュルツ氏は、CEOとして返り咲き、愛するスターバックスの再生に全力を尽くす。

2008年といえばリーマンショックだろう。激動の年でスターバックスの売上、株価は急激に低迷し、シュルツ氏は愛するスターバックスとパートナーを守るため、新たな価値を生み出す企業に生まれ変わるため、リストラ、閉店など、苦難の道を歩いていく。

その原因は「成長」だ。

成長は戦略ではない。戦術である。それをわたしたちは十分に学んだ。規律のない成長を戦略としたために、スターバックスは道を見失ってしまったのだ。

スターバックス再生物語

「成長」が強く求められる現代の企業のジレンマに、スターバックスも陥ってしまった。

どん底の状態であっても、シュルツ氏は再生への情熱をあきらめない。彼を支えたものはなんだったのだろうか。本書の本質とも言えるこんな一節があった。

「人生はすべての選択の総和である」とアルベール・カミュは述べている。大きかろうと小さかろうと自分の行動が、自分の未来をつくる。その過程で、ほかの人を勇気づけることができればさらに望ましい。

スターバックス再生物語より

未来をつくる。

現代は『Onward: How Starbucks Fought for Its Life without Losing Its Soul』。直訳すると、『未来へ: スターバックスはどのようにして魂を見失わずに戦ったのか』だ。

スターバックスの魂とはなにか。創業時からスターバックスを支えてきたシュルツ氏だからこそ、大切な魂を見失わずに再生への熱意を維持できたのだろう。そして、その意志に賛同するパートナー(スターバックスでは従業員をそう呼んでいるらしい)によって成し遂げ、周囲は驚いた。

そして、その魂を持って未来に進むために、行動し、パートナーたちを勇気づけた。氏はこうも綴っている。

わたしは、リーダーの能力とは、他の人に自信を与えることだと思っている。 

スターバックス再生物語

本書は今や伝説とも言えるスターバックスの再生物語であり、強い意志を持った経営者の物語である。だが同時に、彼に触発された名もなきパートナーたちの物語でもあるだろう。

僕はスタバにほとんど行くことがない。昔はタバコを吸っていたからであり、今は「高い」からだ。しかし、本書を呼んでいると、彼が情熱を注ぐコーヒーを飲みたくなるし、復活の鍵になったインスタントコーヒー「ヴィア」も飲んでみたい(この物語もまたドラマチックなのだ)。彼が作ろうとした「場所としてのスターバックス」も感じてみたい。と思うようになった。

個人的に感動したのは、復活を遂げたあとに(たしか)彼が語ったこの部分だった。

これまで選択してきたこと、学んだこと、それが未来にどのような意味をもつのかを考えることができた。 

スターバックス再生物語

意味があると信じてやってきた選択だろう。だが、ときには直感的に選択する場合もあるだろうから、すべての意味が、「未来で」どのような意味になっているかはわからない場合もある。

それを考えて学び続けるのがシュルツ氏の凄味であり、自分も学びたい姿勢のひとつだと感じた。

しばらくは、午後おやつ時間にスタバに通ってみよう。