マネージャーにとって、人の育成はとても難しいけれど大切な仕事です。目標を持ってもらい、その実現に向けてサポートする。今日は、そんな目標設定のコツをまとめてみようと思います。
おそらく、人材育成の一環で、社員に目標設定をさせている企業は多いと思います。周囲の友人に聞いても、同じか似たような仕組みがあるという人が多いです。
目標設定はとても大切な儀式です。なぜなら、設定を間違えると成長に影響が出ます。さらにいうと、人事評価とセットで使われることがあるので、結果的に給与や社内でのキャリアに影響がでてしまいます。
それでは、どういう目標を立てればいいのか? ポイントを絞って考えてみましょう。
1. 目標にはメインメッセージをこめよう
目標を一言で表したときに、それがその目標のメインメッセージであるべきです。
伝えたいことはたくさんあると思います。しかし、一つの目標にいくつものメッセージをこめてしまうと、誰かに説明したときに相手はびっくりしてこう言うでしょう。「で、どれが一番大切な目標なんだい?」
その目標が個人的なものだとしても同じです。個人的には、大切なことから一つひとつ順番に達成していく癖をつけるのがオススメです。本当に大切な目標であれば、何かと同時にやれるようなものではないはずです。
また、新入社員がよくしてしまうのが、目標に手段や方法を書いてしまうこと。
目標 : XXXシステムのZZZ機能を作る
TODOと目標は違います。
2. 目標を実現するための手段や方法、期日を決めよう
目標ができたら次は実現するための手段や方法を考えます。ここでのポイントは目標を達成するまでのストーリーを考えることです。例えば、
- XXXXをして
- YYYYをして
- ZZZZをすれば目標を達成できる
というように、全体的な流れをイメージして書いていくのがポイントです。ストーリーになっていると、目標を聞く側も「ああ、なるほどね」とイメージがしやすく、その過程や結果に納得感が持てます。
また、手段は途中で変更してもOKです。以前より優れた新しいストーリーが浮かんだのであれば、そちらを採用すべきでしょう。
もし、期日を設定できるのであれば、現実的な期日を設定するべきです。期日自体には意味がありませんが、期日は成長スピードを表現してくれます。
完璧を目指さず、持続可能で実現可能な目標を立てましょう。
3. 自分のための目標を必ず入れよう
「君にはこういうふうになってほしい」とか、目標を上司からリクエストされることもあるでしょう。もちろんそういった期待に答えるのも重要だと思います。しかし、あなたの人生はあなたのものなので、全部に答える必要はないと思います。
『7つの習慣』に時間管理の原則として4つの領域というものが紹介されています。
- 重要度高、緊急度高 = やらないと大きな損失が生まれる作業。危機や問題、トラブル等。これはやらざるを得ないがずっとやっても成長につながらない
- 重要度高、緊急度低 = 将来の自分に向けて備えとなる作業。勉強、健康、キャリアなど。これをやらないと成長しない
- 重要度低、緊急度高 = 無意味だがやらなければならない作業。メール対応、メッセ対応。やっても成長につながりにくいが断りにくい物が多い。メール対応とかは必須の作業に見えるが、自動化やそもそも問い合わせの起きないプロセスを作ることで回避は可能
- 重要度低、緊急度低 = 楽しいだけでなにも残らない作業。 TVやゲーム、目的のない飲み会など。ただ、これがなくなると人生がちょっとつまらなくなりそうなものでもある。
目の前にあることだけをやっても、なりたいこと自分になれるとはかぎりません。重要度が高いけど緊急度の低い「将来の自分に向けての目標」が目標の中に入っていますか? いくつか目標を立てたとしても、その中に必ず自分のための目標を入れましょう。
言われたことだけやるなってことです。