俺の世界はここだけだ。
これは、俺のだ。あんたたちのじゃない。(第四日 遠い季節)
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伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みでありながらこの寮に残ることに決めた4人の少年たちは、ふとしたきっかけではじめた「告白」ゲームをきっかけに、それぞれの事情を共有していく。
7日間の出来事を中心に、少年たちの成長をつづった感動と思い出を与えてくれる作品。
フェアじゃない。彼等は一見大人の論理で寛司と対等の立場にあると見せかけているくせに、実は親の論理を寛司の喉元に付き付け、彼に子供としての論理で大人の問題を解決することを迫っているのだ。(第四日 遠い季節)
「夜のピクニック」で夢中になり、「六番目の小夜子」でさらに夢中になり、この「ネバーランド」を読んで、さらに恩田陸さんの描く子供と大人の中間にあるネバーランドのすばらしさを体感することができた。久しぶりに一気に読み上げてしまったほど、「ネバーランド」には心に残るものがあった。
僕のネバーランドはおーのとかさちとか、きよことかたつみとか、友達と何も考えずに過ごすときだ。そりゃこれからさき僕や誰かがいなくなってしまうことだってあるかもしれない。でも、確かに永遠なのだ。
ネバーランドとは・・・
ピーターパンに出てくる、「子供が永遠に子供でいられる場所」のことであり、かつ「どこにもない場所」のことである。(文庫版「ネバーランド」解説より)
永遠なのだ。
だから、僕は誰にも邪魔をさせないし、誰もを守ろうと思う。僕は多分、一生このままの性格で年をとっていく。大人の論理を理解し、それでも「なんでだ?」と聞き続けるだろう。僕が少年だったときからこれまでに、「大人」という名前をつけてすてたものなんて一つもない。その分苦労することも多いし、できることがずっとできないのも確かだが・・・
これが僕の世界なのだ。
コメント
「ネバーランド」恩田陸
ネバーランド発売元: 集英社価格: ¥ 540発売日: 2003/05売上ランキング: 4,560おすすめ度 posted with Socialtunes a…
ネバーランド 恩田陸
ネバーランド
■やぎっちょ書評
やっと読みましたネバーランド。
仲間モノ大好きです。
陸ちゃんの本の中でも初期の本なのかな?
全体的な印象が、深層心理…