韓国映画オアシス(Oasis)

オアシス
GWに気持ち高ぶり、今日は間違えて1時間早く出勤してしまった。落ち着け自分。ふと考えてみたが、サラリーマンで12連休もらっている僕って大丈夫なのだろうか?(いろんな意味で)がんばれ自分。
*
今日の夜には東京を出るため、借りていたビデオを見た。
「オアシス(・、・・亨・、)主演:ソル・ギョング、ムン・ソリ 監督:イ・チャンドン
おいらにはものすごくつらい映画だったよ。
デイヴィッド・リンチ監督の「エレファントマン」を見たときに「こんなつらい映画をデイヴィッド・リンチは作ったのか」と衝撃を受けたが、恐らく過去最高につらい映画だった。うまくはいえないが、まっすぐに見ることを許されないような気分だった。
刑務所をでたジョンドゥ(ソル・ギョング)は、出所後ある家族ににあいさつにいく。彼は清掃員をひき逃げし、2年6ヶ月服役していたのだった。清掃員の家族は兄と妹だけで、父親を亡くした兄弟はマンションからの引越しの準備をしており、中を見ると重度障害を持った妹コンジュ(ムン・ソリ)がいた。そしてなぜか彼女だけはマンションに残るようだった。
昼間一人でいるコンジュをジュンドゥはレイプしようとするのだが、失神する彼女を見てあわてて彼女を解放することになる。ある夜突然、カーセンターで寝泊りするジュンドゥにコンジュから電話がかかってくるが。。。


ジュンドゥは自分が殺したとされる相手家族に、のうのうと挨拶しに行く。「悪いと思って」という彼の様子には悪意もなく、被害者の家族(兄妹と兄の妻)は、そんなジュンドゥを白い目で見る。また、レイプしようとして失敗に終わるときも、彼は「わかったよ、失神しなくてもいいじゃないか」というような態度であきらめる。(本人はレイプのつもりはないのだろう)
悪意を感じ取れない印象のジュンドゥだが、家の鍵を探すときの彼の態度や、兄の前でおびえるような目をする彼を見ていると、もう演技とかそういうのじゃなくなり、実在する個人のようにリアルな印象を受ける。
決して大人といえない未熟なジュンドゥを見ていて、とてもムカムカ感情を持ってしまう。責任感はないし、自分のやっていることを理解しない。「子供がそのまま大人になった」という言葉がぴったりな彼を見ているとそう思う。しかし、見終わって1日たってもまだ心にのこる「オアシス」での彼は、ただ単に「最低な人間」ではなかった。(彼は少なくとも最悪ではないと思う)
あくまで普通に振舞うコンジュに、周りの皆は困惑する。恐らく、見ている僕も同じだろう。しかし、彼は彼なりに生きていて、普通に過ごしている。「悪いことをしている」というのは僕の印象でしかない。しかし、コンジュを母親の誕生日会に連れて行く様子や、レストランでの食事を断られるシーンなどをみると、彼がやっていることは普通なのだと気がつく。ちょっとずれてはいるが、間違いと判断することはできない。
法律を守らないことが「間違い」なのかどうかなんて、僕らの目と世界の間にある薄いフィルターをなくしてしまわなければ、断定できるものではない。また、フィルターをなくすことのできる人間なんて早々いないだろう。
ジュンドゥとコンジュが作り出す世界はとても幻想的で、ジュンドゥに対する苛立ちや、コンジュに対するもどかしさをかき消してしまう。その瞬間瞬間に、見るものを圧倒する何かがあった。
昨日の夜からずっと心の奥に残り、いろいろなことを考えていたが、その何かに対して言葉が見つからない。
とても気になったので、オアシスのいろいろな感想を調べてみたのだが、多く語られている「純愛映画」という言葉の意味が良くわからなかった。「これが純愛」といわれて「はいそうですね」というようなことではないと思ったからだ。純愛などと僕にはいえない映画だったが、言葉を返すなら「これも純愛」のほうがまだわかる。
恐らく、たくさんの偏見を持って僕は生きているのだろう。そういうことを考えれば考えるほど、この映画のすごさを強く感じてしまう。そしてその感情にどんどん押しつぶされそうになってくる。
なんだろう?この感じは何だろう?
そんなことを考えていたら、Blue bookshelvesというBlogを見つけた。そこにはこんな言葉が書いている。この映画とはかけ離れているような、映画のパッケージの写真についての一言だ。

でも、たぶん、これが、コンジュの見ていたジョンドゥであり、ジョンドゥに見えていたコンジュの姿だったんだと思う。

この言葉を見て、僕はこういう言葉を捜していたことに気がついた。
最低なのは僕自身なのかもしれないと思った。
オアシス オフィシャルサイト・・・インタビューを読むと改めて考えてしまう。
*
連休前にすごい映画を見てしまった。当分思い出したり、考えたりするんだろうね。
今日の夜からお休みだ。目標として「立山黒部アルペンルート」で自分の小ささを自然から感じてこようと思う。

コメント

  1. Ken-U より:

    はじめまして。TBをお返しします。ぼくもこの「オアシス」を純愛物語と理解したひとりです。これはひとつの寓話だと捉えました。とても美しい作品だと感じています。
    今日は「さよなら、さよなら、ハリウッド」を観てきたところです。
    映画の観かたは様々ですね。参考になりました。

  2. 白木蓮 より:

    こんばんは、はじめまして。
    私の拙い記事に対してトラバして下さってありがとうございました。
    私もさせて頂きました。
    「オアシス」を観てから、その後もずっと何かにつけ思い出しています。
    私の心の中にずっと残り、存在し続ける映画だと思います。

  3. だい@実家 より:

    Ken-Uさんこんばんわ。オアシスはいろいろな感想が生まれる映画ですね。「さよなら、さよならハリウッド」はまったくの知識がなく、ウッディ・アレンというものをはじめて体感したのでとても困りました。彼の映画をもっと見てみようと思います。

  4. だい@実家 より:

    白木蓮さんこんばんわ。おっしゃる通り、なかなかない映画ですね?。映画ってすごいな?と改めて感じます。

  5. lieutenant+duck より:

    こんばんは。傑作ですよね。
    だいさん色々考えたんですねぇ。文章から伝わります。
    この記事を読んで、再度日記書き始めようかなと思い始めました。また遊びに来ます。
    ではでは。黄金連休楽しんできてねー

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