SIという世界を見る限り人は人の上に人を作ります

私はシステムインテグレータ(SI)という業界で働いていますが、残念ながらここは未来ある学生の皆さんが幸せに暮らせるような世界ではないと思っています。

私自身は、IT業界でしか働く気がないので、仕事は楽しく働けているのですが、業界そのものは楽しい場所ではないです。

SIでは一番頭に大きな会社があり、そこがお客さんからの仕事を受けます。それを一部下請け会社に仕事させ、下請け会社はさらに下請け会社に仕事を渡す・・・という連鎖が通常です。これを元請け、2次請け・・・とかいいます。

私は元請けのところで、どちらかというと元請けさんの立場で働いています。こういう階層を持つ発注方法は非効率のように思えますが、大手ベンダーさんがいうには、大手企業は小さい会社に「仕事を分け与える」という宿命があるそうです。
ようは、一部大手がねこそぎ仕事をもっていくと、世の中の大半の人間が職を失います。世の中にお金を回すために、こういう階層社会が必要であり、IT業界だけでなくどこの業界でも似たようなものだと思います。

私はあまり詳しくありませんが、下請け企業へ支払われるお金はびっくりするぐらい安いです。下に行くほどどんどん安くなります。そして、元請けがお客から受け取る額は、びっくりするぐらい高い。ITの業界の契約単価は、私の感覚ではぼったくりなんじゃないかと思っています。子供には教えれないような格差があります。

2次請け会社は、発注で競合するぐらいにならないと、元請けには勝てません。仕事をあげる側、もらう側ではあげる側が強い。仕事として、フェアに考えてくれる人のほうが少ない世の中です。
さらに、その関係を利用して、ひどいことをいってくる人もいます。

下請け企業には、元請けを選べません。

私の視点では、これまで借りより貸しのほうがたくさんありました。私は、こういう関係を変えたいと思っていますが、どんなに相手先の人間に負けないようにやってきても、人の上に人がいます。

どんなにがんばっても、平等ではありません。

私はもうすぐSIではない業界に転職するつもりですが、SIという業界から身を引くことになって、この不公平な業界の構造を少しでも変えることができなかったことが、非常に残念でなりません。とても悔しいと思っています。

どれだけ成果をあげても、どれだけ相手に優っていても勝てなかった。

私がもし、子供を持つことになったら、正直にこのことを伝えたいと思います。そして「人の上が偉いわけではないこと」と、「こういう世の中をちょっとでも変えたいと自分が思っていること」を、きちんと伝えたいと思います。

私が感じた悔しい気持ちを、未来の子供たちは感じないですむ世の中になれば。私の無念さにも多少の意味があるといえるのかもしれないです。

意味があると思いたい。

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