永遠の出口 – 森 絵都 「永遠の出口」より

感想おまちしてます!

私は日々の小さな出来事に一喜一憂し、悩んだり迷ったりをくりかえしながら世界の大きさを知って、もしかしたら大人への入り口に通じているのかもしれないその出口へと一歩一歩、近づいていった。

僕の小学生時代はいたって平凡なものだ。背の順はいつも前のほうで、中学年ぐらいでメガネをかけるようになって、鉄棒から落ちて骨折したり、放課後に校庭の水道をがぶがぶ飲んでた。いたって普通の小学生だ。

僕の母はとても綺麗好きで、そのせいもあってか僕も部屋を綺麗にしないと落ち着かないようになった。女の子の家に呼ばれていっても、まず片付けたりしたりする。なぜか落ち着かないのだ。

そんなわけか、僕は友達を家に呼んだりすることができなかった。当時流行っていたファミコンがなかったのも原因かもしれない。僕の時代、小学生というのはとても汚いもので、砂まみれ、泥まみれなんて当たり前だった。そんな友達を家に呼ぶと、母親がいやなんじゃないか・・・なんて、偉そうに気をつかったのかもしれない。
僕がこんなことを考えてたときに、他の友達はどんなことを考えていたのだろう。

ある時、こんな噂が立った。それは「友達が臭い」というもの。僕の町には古い町並みが残っているところもあり、そういった家には風呂がない。というのは後に知ったことである。そういうことも考えず、噂はどんどん広がっていった。

僕はこういう噂がとても苦手なので、考えたくもなかった。小学生の数だけ、家庭というものが存在する。小学生の数だけ、気を使う何かがあるのだ。それを友達と僕の間に置くことが嫌だったのだ。それは友達と一緒に校庭を走り回るために必要なものではない。

そうわかったのも、もう少し僕が大きくなってからだった。