わたしが・棄てた・女 – 遠藤周作

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わたしが・棄てた・女

そりゃそうだ。だから人生というのは複雑なんだ。だが忘れちゃいけないよ。人間は他人の人生に傷跡を残さずに交わることはできないんだよ

とても幸せな結婚を控える男性が、遊びで付き合い1度だけ関係をもった女性をみかけ、下心から再び呼び出してみると、彼女には「ハンセン病(当時は「らい」と言われていた)」の症状が出ていた。そして、女性は捨てられたことも考えずひたすら男性に思いを寄せ続けていたのだった。
遠藤周作さんの本は本当にテーマが衝撃的だ。「沈黙」や「海と毒薬」もこの「「わたしが・棄てた・女」も、読み出すと止まらない。そして遠藤さんに突きつけられる衝撃に息を呑んでしまう。
人間は誰かを傷つけずに生きることができないといえる。というか僕はそう思っている。だからといって「傷つける側」になりたいとは思っていないが、傷つけることにためらおうとは思わない。そして、僕は誰にでも親切な人間なんて信じない。そういう人間を見ると怖くなってしまう。
恩田陸さんの「球形の季節」にこんな文がある。

優しい人間、誰にでも親切な人間なんて信じない。自分がそうしたいと思うものにだけ、無償の愛情を注げる者のほうがよっぽど正しい。

僕もそう思う。僕は自分が守りたいと思う人間にだけ守りたい。それ以上、守れない。