小説「聖書」

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小説「聖書」旧約篇〈上〉

はじめに、神は天と地を創造された。地は混沌であって、闇が深遠の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。そして神は言われた。
「光りあれ」

昔、小学生のときかなんかに聖書をもらったので読んだことがあった。多分、旧約聖書だったと思う。小説「聖書」は旧約と新約とにわかれていて、口語なのでとても読みやすい。当時理解できなかった部分がすきりした感じだ。
旧約聖書ではイスラエルの祖先であるアブラハムさんと神の契約からはじまる。旧約の神様はとても厳しく、のちにイエスが現れるまでこの厳しさは続いていた。
イスラエルは19世紀欧州に広がったナショナリズム(民族意識)に影響され、建国運動(シオニズム)の後押しで国となったが、旧約聖書のアブラハムとの契約を知ると「イスラエル」が国を持たない民とよばれるゆえんがよくわかる。神という存在が絶対なのだから、他の国のように王様が必要にならないというのが理由だ。
旧約聖書の中では大体以下のような流れとなっている。
神が力を民に見せる >民が神を粗末にする > 神が怒る > 誰かに侵略される > 神に助けを求める
新約聖書ではイエスが預言者として登場し、ご存知のように神となる。「ペテロの否認」ではイエスの予言とおり鶏が鳴く前に3回私を知らないと言ったり、「ユダの裏切り」ではイエスを試そうとするユダの悲しい物語が綴られている。新約聖書はとてもドラマチックだ。
僕が意外に思ったのは、イエスを裏切ったユダは、彼なりにイエスを愛していたんだなーというところ。ユダはイエスを銀貨30枚で売り渡すんだけど、彼はイエスが奇跡をつかって困難を乗り切るだろうと踏んでしまう。きっとユダは神の奇跡に魅了されたのだろう。
誰もが知っている聖書は、恐らく他の歴史書と同じく時代の影で改編を重ねてきたのだろう。しかし、物語で伝えたかったことは大体変わっていないはずだ。人間が求める「神」。どんな時代であっても、人間の心から影は消えないかぎり、神は存在するのだろうか。
参考
イスラエルとロスチャイルドの百年戦争 – 田中宇さん
説教「裏切りと、それを包む愛と」