深呼吸の必要

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深呼吸の必要

「きび刈り隊」のアルバイトであつまった、それぞれの悩みを抱える若者たちを描いた物語。

映画の中で、「この仕事に内地から来る人間のたいていは、司法試験や、医者の試験に失敗した人間がおおい」と語られる。誰もが皆、逃げるようにしてこの仕事をしにくるというのだ。

映画の中では、登場人物の悩みなどは語られず、誰もが寡黙に下を向く。
誰もが悩みを抱え、どこかに逃げ出したいと考えることがあるだろう。どんな完璧な人間であれ、誰もがだ。

希望に胸を膨らませ、関東にでてきて2年(もう2年、されど2年)。残念ながら、ここで得たことはひとつもないといってもいいかもしれない。一つぐらいはあるだろうと思うのだが、大阪のフリーター生活で経験した内容のほうが、とても大きかった気がする。東京で起きた出来事なんて、残念ながらもうすでに見たことがるシーンばかりだった。

別段、フリーターを応援するわけではない。僕にとってフリーターでの生活は、1つの選択でしかなかった。自由に生活する苦しさ、怖さ、楽しさなどなど。自分がすごしている時間について、たくさんのことを考え、たくさんのことを学ぶことができた。僕にとってはプラスだっただけだ。塾に通うのと同じ。自分で選択して、自分のために使うだけ。

こんなことを考えているので、「何を学んだか?」と会社で聞かれるととても困る。

「何も学んでいない」と答えるしかない。会社が学んで欲しいような技術面のことや、ビジネスコミュニケーションのことなどを語るつもりもない。僕は社会人になっても、人間として成長することのほうが大事だと思っている。そして次の世代の子供たちに伝えていけたら最高だろう。

問題を押し付け「あなたたちが次の世界をつくる」なんて身勝手なことをくりかえす大人にはなりたくない。希望のない未来なんてまっぴらだろうに。

さとうきびをすべて刈り取ることができなければ、雇い主である「たいらさん」夫婦は経済的にダメージを受ける。しかし、たいらさんは笑いながら若者たちに語り掛ける。「なんくるないさ(なんてことはない)。なるようになるだけ」。

失敗すれば、また1からやり直せばいい。

簡単な答えだが、人間すべてがそうできるわけでもない。その言葉どおり、すべてを受け入れ、またやり直すことができたら、どれほどいいだろう。

「試合で緊張したら深呼吸をすればいい。そうすることで別に試合に勝てるわけではないが、楽しくなれる」

楽しく。楽しく。

深呼吸の必要がある。

急ぎ足で歩くことが多い人ならば、もっともっと深呼吸の必要がある。