じいちゃんが死んだ日 その1

感想おまちしてます!

pic040903_0947001.jpg
(写真)夏の花。じいちゃん俺のこと見ててくれてるかな。
悲しいことでも、思い出し笑ってやる。
盆休み真っ只中に、じいちゃんが死んだ。
もう5、6年前かな。あの時の事は良く覚えている。
その時僕は、フリーターで新聞配達でバイトしていた。
自分の家のある区域を配っていて、自分の家の前に来たときに、
家の前に大きく張り紙がしてあった。
なんだろうと思って見てみると、そこにはじいちゃんの訃報が書かれていた。
「早く帰って来い」見たいなことが書かれていた。
急いで配達を済ませ、バイト先に休みをもらい、家まで飛んで帰ってきた。
親父が盆休みで、実家に帰っていた為、我が家には車が無かった。
なので、親父が家に戻ってくるまでは、待機しなければならない。
待っているのが嫌だった。
そこで、ある名案が思いついた。
買ったばかりのバイクで、四国のじいちゃんの所までかっ飛ばしていこう。
思いついたら即行動。
僕は愛車「ゼファー改」に乗って、500キロにも及ぶドライブを決行した。


目指せ愛媛県。
初めてバイクに乗って高速を走ったと思う。
確か山陽の道路がきれいにできていたので、非常にスムーズに進むことができた。
朝早かったこともあり、車はほとんど走っていなかった。
ここで、一つ試したくなった。
400CCのゼファーちゃんの性能を試す為、長い直線でフルスロットル。
死ぬかと思った。
死んだじいちゃんに会いに行って死んでしまうなんて笑い話にもならない。
140キロぐらいで車体はぐらつき、小石で車体がジャンプしているのがわかった。
スピードの向こう側なんて存在しなかった。あるのは自分の中に芽生える恐怖だけだった。
瀬戸大橋に到着し、橋をゆっくりと進んだ。
横風でハンドルを取られることがあったが、天気はとてもよく、
瀬戸の美しい島々が、眼下に広がっていた。
いよいよ四国大陸に突入する。
ここからは、高速で松山をまず目指す。
のんびりした高速を走っているときに、あることに気が付いた。
「まだガソリンあったっけ?このバイク。。。」
急遽、サービスエリアに止まった。
バイクには燃料計がついていない。なので、バイクをゆすって
燃料を確かめたりするのが定説なのだ。ずっと走っていたので気がつかなかった。
降りるとバイクに乗りっぱなしだった為、お尻が痛くてイスにも座れず、
タンクをのぞいてガソリンを確認すると、ほとんど空だった。
もう一リットルも残っていないとわかった。
予備タンクを使ってもガソリンスタンドのあるサービスエリアまでは燃料がもたない。
「どうする?」と自分に問い掛けた。
電話ボックスを探した。
「どうする助けを呼ぶのか?」
自分に問いかける。
ここでまた、名案が浮かんだ。
今考えれば無謀な作戦なのだが、当時の僕は
「俺、てんさ?い!」とうぬぼれていたことだろう。
僕は、早速バイクへと戻り、高速道路へと戻っていった。
ひとまずガソリンをかせぐ為に、エンジンを切って惰性で走った。
たまたま下り坂だったので、数キロはそれで走ることができた。
すると、僕が予想していたとおりのことが起こった。
僕は路肩にバイクを停車し、高速道路から下を見下ろした。
高速の下にはガソリンスタンドがあった。
車で旅行に出かけたとき、高速の下に町が見えたりする。
僕の記憶だと、高速が走っているような田舎の道路には、
ガソリンスタンドが、ある程度の距離をおいて存在する。
また、田舎の高速は首都高などと違い、山を切って作られる。
これなら簡単に下の町に下りることができる。
僕は、日ごろこういうくだらないことばかり考えている。
しかし、この時はそれが役に立つとは思わなかった。
僕は賭けは成功した。
ちなみに「近い出口で降りればいいやーん」という人がいるかもしれない。
まさにそのとおり。
思いつきで生きている僕には、単純な発想ができなかったのだ!
つづく。