一瞬の光

感想おまちしてます!

daipresents2004-07-17
(写真)田園調布駅。私の記憶では、この駅の近辺に筋肉マンがすんでいる。
30後半のエリートサラリーマンと暗い過去を持つ短大生が出逢い、
日常の中で、大切なものを感じ取っていく感動ストーリー。
とても力強い物語だった。
少々理屈っぽい部分があるが、分厚い本なのにあっという間に読むことができた。
先日話した、「兵士と王女」の物語も、この本ででてきた。
読み終えたあとは、「おおー!」と身震いがしたほどである。
この本のすばらしい部分は、いくつものいい言葉が書かれているところだった。
ある感情に、言葉を当てはめていくような文が、この物語をとても深くしている。
いくつか、覚えている限りここに書いておこうと思う。

「セックスはとても素敵な事だって。一瞬一瞬がまるで小さな死だって。」

この文の後に「ありとあらゆるものがすごく美しく見えて、
まるごと全部愛せるような気がするんだって」と続く。
また、こういう引用があった。

何か大事が起きたとき、人は自問自答して、
多くの人は「誰かが事に当たるだろう」と考えるが、
まれには、「なぜ私が事に当たらないでおられよう」と考える人がいる。
この両者の間に、人類の道徳的進化の全過程がある。
ウィリアム・ジェイムズ 宗教的経験の諸相より

何かに立ち向かう場合、恐怖がつきまとうのは自然だ。
それでも、「なぜ私がやらない」と考える人間こそが、
道徳的進化を果たすという。
さらにこうも続く。

今日の世界全体を支配する「交換の論理」に立脚している。
すべての価値が取引によって生み出されるという思想だ。
だが、そこから真実の価値は生まれるのだろうか。
「なぜ私がことにあたらないでおられよう」と考える人間は、
果たして現れ得るのだろうか。

日常の生活で「一瞬の光」を感じたなら、
それが何かを追い求めることも大切なことなのだろう。
例え、答えがでなかったとしても。
一瞬の光 – 白石一文(角川文庫)
ISBN:4043720017
一瞬の光