エレファント

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エレファント デラックス版
階段を上ると目の前には、
楽しそうに笑う女子高生や、少し顔の赤いおじさんや、
ティッシュを配る人や、家路を急ぐ人や、
たくさんの行き交う人々がいた。
街の喧騒が現実離れしたものの様に聞こえた。
視界が細かくぶれ、映像を見せられている気がした。
体と頭が元に戻るには、少しうるさすぎた。
「Elephant」 a film by Gus Van Sant.
学校という集団の中で、たくさんの子供が同じ空気を吸っている。
しかし、単体としての子供は、それぞれが違うものを見て、違うことを感じ、
オフィシャルにあるように
「最も不平等な社会」を作り出す。
その社会の中で過ごす、ごく普通の子供たち。
それぞれが、カメラで追われ、ごくわずかにすれ違う。
彼らにとってはそれが日常で、あるものにとっては地獄。
わからなくもない。
地獄。
行ったことも見たこともないけど、
そのときの自分なら「ここよりまし」とか思ってたんだろう。
子供が笑いながらアリを潰すように、
無邪気ともいえない空白の何かが彼らを支配する。
死ぬことですらリアルではなく、殺すことも現実味がない。
生きることなんてわかるはずもない。
生きている実感がない。
TVの中の映像のように、人々の声が遠くで聞こえる。
無性ににそれを壊したくなる。
自分では何がしたいかなんてわからない。
全部壊したくなる。
自分の存在を確かめるみたいに、
バラバラにしてそれらを指でなぞりたくなる。
「今日死ぬんだな。」
たぶん簡単にそんなこと言えるのだろう。
どこでおかしくなった?(おかしかった?)
情報がありすぎて脳がついていけないのか。
大人がへったのか。
子供が賢くなりすぎたのか。
時代のせいにするのか。
手の届かないことなのか。
アメリカで多発した銃乱射事件
自分は少年たちとは違うのだろうか。
自分の居場所を探そうとして苦しんでいた時、
少なくとも誰かが助けてくれるとは思えなかった。
精神・肉体が成熟したら、解決することなのだろうか。
スクリーンから銃声が響いた。
人が死ぬときの音はとても静かだ。
なのに自分の胸を打つように響く。
胸から背中に震える。
いろんなことを考えても、いつもと同じ時間が流れている。
同じ空を雲が流れている。
「自分の手で触れた部分の印象しか語れず、物事の全体像は見えにくい。」
>追記
人を殺す。
自分が死ぬ。
彼らは人を殺した。
悲痛な叫びでもなく、ごく自然に。
壊れている?
壊れていない?
こわれてなんかないだろうな。
彼らは人を殺した。
俺は殺さなかった。
その違いがわからない。
誰だってボーダーにいるんだよ。
ふとしたきっかけで、「異常」扱いされる。